導入事例
株式会社TSIホールディングス様
「AIによってレコメンドされたアイテムやコーディネートをメルマガ内に差し込み、7万人超に配信しています。ECだけでなく店舗への送客効果も生まれています。」
2019年09月17日掲載
アパレル大手のTSIホールディングス様は、当社のメール配信システム「WEBCAS e-mail」を導入して12年目を迎えました。2018年にはパーソナル人工知能と連携したレコメンドメールをスタートし、様々な効果をあげられています。ご担当者様に、具体的なメール施策やWEBCASの評価等をお聞きしました。
WEBCASを選んだ理由
WEBCASの導入効果
TSIホールディングスは、「nano・universe(ナノユニバース)」「MARGARET HOWELL(マーガレットハウエル)」「HUMAN WOMAN(ヒューマンウーマン)」など、60以上のブランドを擁するアパレル企業です。全国の百貨店やファッションビル等に店舗を構えているほか、近年はECにも注力しています。
メール配信システムWEBCAS e-mailを最初に導入したのは2008年で、現在は当グループ内の20~30ブランドで利用しています。
「HUMAN WOMAN」は、TSIホールディングスのグループ会社であるサンエー・インターナショナルが展開するブランドです。「フレンチカジュアル」をベースにした大人の女性のためのクローゼットラインで、上質な素材と細部にまで手をかけたオリジナルクローズや、国内外でセレクトされたアクセサリーなどを取り揃えています。
現在、68の実店舗とオンラインショップがあり、メール会員は7万人超にのぼります。
7万人超のメール会員に向けて、主に以下のメールを配信するためにWEBCAS e-mailを利用しています。
・通常の一斉メルマガ配信
・ポイントの有効期限等をお知らせするフォローアップメール
・AIを活用したレコメンドメール
また、このほかにも「HUMAN WOMAN」の店舗が入っている全国の館(百貨店やファッションビル)の営業チームが主体となって、地域別に配信しているメールもあります。
7万人超に一斉配信しているメルマガ(一部)
こちらのメールは2018年よりスタートしたのですが、SENSY社のパーソナライズ人工知能「SENSY Marketing Brain」とWEBCAS e-mailを連携し、お客様一人ひとりの好みに合ったおすすめ商品等をメールコンテンツ内に差し込んで配信しています。
現在配信しているレコメンドメールは2種類あり、一つは商品(アイテム)をレコメンドするメール、もう一つはショップのスタッフのコーディネート(スタイリング)をレコメンドするメールです。保有しているアイテムやスタイリングのデータ数にもよりますが、7万人のメール会員がいるHUMAN WOMANでは、理論上は7万通りのメールが送れるということになります。
AIと連携してWEBCASで配信している「スタイリングレコメンド」のメールの一部。赤く囲った箇所がレコメンドされている。
はい。WEBCASは「トランザクションデータ差し込みブロック」という“お客様ごとにレコメンド情報がある分だけ差し込めるブロック”を作成できるので、その機能を使い、最大で「横2×縦6」のレイアウトでレコメンド情報が差し込まれるようHTMLメールのデザインを組んでいます。そこにSENSY側からファイル連携で受け取ったデータを差し込み、メールを配信しています。
まだテストを繰り返している最中ではありますが、メールを受け取ったお客様の行動を分析したところ、レコメンドした商品もしくはそれに近しい商品を、実店舗で購入いただく確率が高くなったことが確認できました。AIを活用したレコメンドメールはECサイトだけでなく店舗にも送客できることがわかり、この施策はブランド全体の売上アップにつながっていくのではと期待しています。
また、HUMAN WOMANの事業部がおすすめするアイテム(通常のレコメンド)を盛り込んだメールと、AIを活用したレコメンドメールの2つでA/Bテストを実施したところ、後者のほうが1通当たりの売上額が31%アップしたというケースもありました。
「メルマガの有用性が広まり、店舗の営業担当者からメルマガ配信を依頼されることも増えました。」(HUMAN WOMAN 稲葉様)
HUMAN WOMANは総じて「ベーシックでエイジレスなアイテムが多い」というブランド特性があるのですが、その中でも「素材感」や「色合い」など、一人ひとりのお客様によって好みは少しずつ異なります。このような“人間では判別しづらい好みの差”を見出せるのはAIの優れた点だと思います。
その一方で、年に複数回実施するフェア(イベント)のシーズンについては、AIではなく我々事業部がおすすめする「フェア対象品」をお買い求めいただく傾向が強いという結果も出ています。そのためAIにすべて任せるのではなく、シーズンによってうまく使い分けていくことが重要だと感じています。
当社のIT戦略部ではAI関連の業務を推進しており、以前からSENSY社のAI技術を用いて商品の需要予測等を実施していました。それらの業務で成果が得られていたため、HUMAN WOMANのメルマガにも活用できないかと思い、社内で提案したのがきっかけです。
一方、HUMAN WOMANの事業部では「一人ひとりのお客様に最適化したメールを配信したい」と考えてはいたものの、先ほども申し上げたように「ベーシックでエイジレスなアイテム」が多いブランドであることから、お客様の好みにぴったり合う商品を紹介しづらいという課題を抱えていました。そこで、IT戦略部からの提案に賛同し、AIを取り入れたメールマーケティングに挑戦することとなりました。
HUMAN WOMANでは以前からWEBCASを使って一斉メルマガを配信していたので、まずはSENSYと連携したレコメンドメールをWEBCASで配信できるかを提供元のエイジア(現WOW WORLD)さんに相談しました。すると問題なく実施できることがわかり、SENSYとのデータ連携方法やタグの差し込み方法など、必要な手順をわかりやすく教えていただけました。
TSIグループではWEBCASを導入して12年目になりますが、長年にわたり安定稼働しており、今回のような新しいメールマーケティングに取り組みたい際にも柔軟にシステム連携できる点が良いと思っています。
「他のツールと組み合わせたメールマーケティングなど、やりたい施策がすぐできるのはWEBCASの利点だと思います。」(IT戦略部 古本様)
7万人超への一斉配信は基本的に30分以内に終了しますし、配信性能については申し分ないです。レコメンドメールはパーソナライズされたコンテンツをHTMLメールに差し込んでいるので、通常のテキストメールに比べるとデータ量は多いですが、メールの生成速度にも問題はありません。
機能面については、メールを送る際に抽出条件を細かく設定できる点が良いと思います。HUMAN WOMANでは顧客管理システムとWEBCASを連携しているので、WEBCASの管理画面上で「最終購入日から○日以内のお客様」などの条件をかけてメールを配信できるようになっています。セグメント配信がしやすいとメールマーケティングの幅も広がるので、この機能は今後も活用していきたいですね。
今後は配信タイミングの最適化や、APIを活用したメール配信の自動化に着手していきたいと考えています。
また、メールだけでなくLINEやアプリプッシュなどコミュニケーションチャネルを増やしていき、各チャネルの特性をうまく利用していきたいと思っています。たとえば、アプリプッシュはメールよりも目に留まりやすいという利点がありますが、逆にメールは「情報がきちんと手元に残る」「後から情報を探しやすい」という利点があります。現在実施している「メルマガで受け取ったクーポンを店舗で提示してもらう」等の施策はとても効果があるので、他のコミュニケーションチャネルと組み合わせながら今後も有効に活用していきたいです。引き続きよろしくお願いいたします。
メール配信システム
WEBCAS e-mail
毎時1,000万通以上の高速配信ができる、パッケージ市場シェアNo.1のメール配信システム