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【イベント開催レポート】『「DIGITAL RELATIONS 2021 Spring」顧客接点の最適化とは? ~オンラインでの企業と顧客のリレーション強化事例をご紹介~』2021年3月11日(木)開催レポート

セミナー

マーケティングコミュニケーションシステム「WEBCAS(ウェブキャス)」シリーズを提供するエイジアは、クラウド型CMSの提供およびWebサイトリニューアルなどを手掛けるグループ会社のコネクティと共同で、「デジタルを活用した企業と顧客のリレーション」をテーマとしたオンラインイベントを2021年3月11日に開催しました。事例として、エイジアのクライアントである花王様およびコネクティのクライアントである三城ホールディングス様(パリミキ運営)をゲストに迎え、CRMメールマーケティングWeb施策などの観点から「オンライン上で顧客との信頼関係をどのように構築するのか」についてお話いただきました。

イベントはLIVE配信で実施したため、視聴者とはチャットでリアルタイムにコミュニケーションをとることができ、各セッションへの質問も多数いただきました。本レポートでは、それらのQ&Aの一部もご紹介いたします。

写真左より、コネクティ 服部、三城ホールディンス 萩山氏、花王 鈴木氏、エイジア 美濃、エイジア 藤田

写真左より、コネクティ 服部、三城ホールディンス 萩山氏、花王 鈴木氏、エイジア 美濃、エイジア 藤田

写真左より、コネクティ 服部、三城ホールディングス 萩山氏、花王 鈴木氏、エイジア 美濃、エイジア 藤田

セッション1:花王が取り組む顧客とのエンゲージメントづくり ~会員制コミュニティサイト「Kao PLAZA」共創マーケティングとは~

セッション1では、花王株式会社 DX戦略推進センター カスタマーサクセス部 部長の鈴木氏より、同社の会員制コミュニティサイト「Kao PLAZA」における共創マーケティングについてご紹介いただきました。

花王に入社して30年超の鈴木氏は、店頭マーチャンダイジングやPOSデータ分析のほか、社内ベンチャー事業にてダイレクトマーケティングを推進してきた経歴をお持ちです。2010年頃よりデジタルマーケティングやCRMに携わり、「Kao PLAZA」立ち上げなどオンラインコミュニティを推進したのち、現在はDX戦略推進を手掛ける部署にてカスタマーサクセスに取り組まれています。

花王 鈴木様

花王 鈴木様

花王が取り組むデジタルプロモーション

まずは鈴木氏より、花王のプロモーションがアナログからデジタルへどのように移行してきたのかをご説明いただきました。以前はマスメディアや街頭サンプリングなどオフラインが中心だったプロモーションが、現在はデジタルクーポンやSNS拡散サンプリング、マストバイキャンペーン、ARを活用した施策など、様々なメディアやチャネルを活用したオンラインでのプロモーションへと変化しています。企業とお客様との関係が「One Way」から「双方向」となり、鈴木氏は「企業がお客様に選ばれる時代」「生活者が主役の時代」になったと語りました。

これらの取り組みの中で、花王はエイジアのWEBCASを活用したWebキャンペーンにも注力しており、鈴木氏からは『応募フォームやアンケート作成、メール配信など、様々な場面でWEBCASを活用しています』とご紹介いただきました。同社はこのようなWebキャンペーンやWebアンケートの企画を年間400~500本立ち上げているそうです。

「Kao PLAZA」立ち上げの背景には、「消費者・顧客を最もよく知る企業になりたい」という花王のビジョンがあった

鈴木氏は続いて、本セッションのメインテーマでもある会員制コミュニティ「Kao PLAZA」について説明されました。2013年に立ち上がった「Kao PLAZA」は、現在170万人以上の会員を保有する同社の“共創コミュニティ”です。同社の様々なブランドを横断した発信の場であると同時に、年間約20万件ものVOC(Voice Of Customer:顧客の声)が集まるという特徴があります。

Kao PLAZA

Kao PLAZA

「Kao PLAZA」は、“消費者・顧客を最もよく知る企業に”という花王のビジョンを背景に立ち上げられました。卸業者、流通業者、その先にお客様がいるという同社のサプライチェーンでは、消費者はもともと「近くて遠い距離」だったため、しっかりと消費者とのパイプラインをつなぎ、お客様の声を傾聴したいという思いがありました。そのため、「Kao PLAZA」はお客様を囲い込むという上から目線のWebサイトではなく、お客様とつながりたいという謙虚な気持ちで立ち上げたWebサイトだそうです。

「Kao PLAZA」は大きくわけて「発信する」「発見する」という両輪でコンテンツを企画していますが、調査パネルではないため、お客様にも楽しんでいただく・得るものがあると感じていただくような工夫をしています。鈴木氏は、人気のコンテンツ事例として「家事妖怪」を紹介されました。本コンテンツは「お部屋の汚れは皆さんがサボっているわけではなく、妖怪のせい」ということにして、それらの妖怪をやっつけようというユーモラスなものです。15,000人ほどから「妖怪発見報告件数」が寄せられ、‟このコンテンツのおかげで子供が掃除を手伝ってくれた”、‟家族で楽しみながら掃除ができた”等の嬉しい声が届いたそうです。ほかにも、ファンコミュニティや特集記事等を通じて、たとえば台所用漂白剤「キッチンハイター」は冷蔵庫の掃除にも使えることや、床掃除に使う「クイックルワイパー」は畳にも使えることなど、 “そんな使い方があったんだ!”という新たな気付きを会員の皆さまに届ける活動もしているとのことです。

「全会員向けのコミュニティ」と「MROC」を通して、商品改良や新商品開発を行う

鈴木氏は、「Kao PLAZA」では全会員を対象とした常設コミュニティと、MROC※1の2種類の場を活用し、商品改良や新商品開発につなげていると紹介されました。

※1 MROC(Market Research Online Community) 特定のテーマへ強い興味関心がある人々を一定期間オンライン上のコミュニティに集め、商品についてディスカッションしてもらうリサーチ方法。

1.全会員を対象とした常設コミュニティ

「Kao PLAZA」には、約40万人が参加する「みんなのホーホー」という常設コミュニティがあります。このコミュニティでは、同社の事業部や研究所、広報などから「紫外線対策について」「睡眠について」など生活に関するお題を月に2個ほど出し、会員の皆さまから“私はこうしている” “これはどうだろう” “私もやってみた”など、体験や提案、レポートなどを集めます。こうして集まった月に2,3万件もの投稿をテキストマイニングツール等で分析し、商品改良や新商品開発、コミュニケーション改善につなげているそうです。

鈴木氏は、『企業はともするとプロダクトアウトになりがちです。一般的にマーケターはその商品について一生懸命考えますが、生活者はその商品のために生きているわけではありません。たとえば洗濯一つをとっても、生活者は「干す」「たたむ」「しまう」、場合によっては「クリーニングに出す」など色々あり、生活のシーンを俯瞰して見たときに、その中で自社商品がどう見られているのかをウォッチングしなければいけないと思います』と語りました。

2.MROC

花王では、MROCを活用した商品改良や新商品開発も行っています。購入→リピート→ファン化というカスタマージャーニーを会社が考えるより、「最後まで到達したファンの方に直接聞いたほうが正しい道筋を描けるのでは?」という考えからだといいます。たとえば「〇〇という商品についてどう思っているか」という質問を投げかけると、熱狂的なファンの方は商品の機能だけでなく「どうやってその商品と出会い、なぜ今も愛用しているのか」を作文のように書いてくれるといいます。このような方をMROCの場に集め、新商品についての意見を聞かせていただくそうです。

どんなにデジタル化しても、商品の先には一人ひとりのお客様がいる

鈴木氏は最後に、「あなたとニベア・1,000のストーリー」という同社の特集コンテンツを紹介されました。そこには、ニベアの香りが初恋の物語だったり、ニベアの缶を子供の頃「たからもの入れ」にしていたりと、一人ひとりのお客様の商品にまつわるストーリーが並びます。鈴木氏は『今でもお客様からのコメントを読み返すと泣きそうになります』と語り、続けて『どんなにデジタル化しても、商品の先には一人ひとりのお客様がいて、一人ひとりの生活があるということを忘れてはならないと思います。メーカーはとかく一つのメッセージだけを刷り込もうとしてしまいますが、やはり一人ひとりの顧客を理解し、メッセージを届けていくことが今後のデジタル活用だと考えています』と伝えてセッションを締めくくりました。

視聴者の方から寄せられたご質問と、鈴木氏からの回答(一部)

Q:マーケッター側からすると、これらの有益情報をコミュニティ会員様だけに絞るのはもったいないと考えてしまいがちですが、一般のお客様へのコミュニケーションとして活用される場合もあるのでしょうか?
A:基本的にはコミュニティサイト内でアウトプットしていますが、ブランドのWebサイトで紹介したり、CMのクリエイティブに反映したり、店頭での販促物に活用したりすることもあります。

Q:Kao PLAZAにおけるアンケートの作成~集計まで、どのくらいの担当者様が携わっていますか?
A:ミニマムでは、ブランド(事業部)担当者、「Kao PLAZA」の担当者、パートナー企業の担当者様(WEBCASを使ってアンケートを作成していただく)という約3名体制で回していることが多いです。

Q:Kao PLAZAでのアンケート回答は平均してどのくらいありますか?
A:実施するアンケートによって異なりますが、1万件くらいの回答をいただくことが多いです。インセンティブとしてプレゼント等があると10万件近く集まることもあります。回答をくださった方には分析した結果をできるだけ返すようにしているので、「こんな気づきがありました」という情報をWEBCASのメール配信システムで発信したりしています。

Q:お客様からの率直な意見を集めるコツなどはありますか?
A:生活者の生の声を集めることが目的ではありますが、ファンの方は「企業の役に立ちたい」という強い思いを持ってくれている方も多いです。そのため、時と場合によりますが「この商品を買いたいですか?」ではなく、あえて「この商品は売れると思いますか?」のように、マーケッター視点で質問を投げかけるという工夫をすることもあります。

セッション2:顧客とのリレーションを強化する、メール配信システム「WEBCAS e-mail」のご紹介

セッション2では、株式会社エイジア 経営企画室長の藤田より、花王様にも利用いただいている当社メール配信システム「WEBCAS e-mail」についてご紹介しました。本セッションでは「WEBCAS e-mail」の特徴のひとつであるOne to One配信機能にスポットを当て、詳しい使い方や実際のお客様事例をご説明しました。

エイジア藤田

エイジア藤田

メールマーケティングで大切なのは、「自分宛のメールだ」と思っていただくこと

どのようなメールマーケティングを行えば、お客様の心を動かし、信頼関係を築くことができるでしょうか。当社では、一人ひとりのお客様に「自分宛てのメールだ」と思っていただくことが大切だと考えています。これを実現するため、「WEBCAS e-mail」はお客様の属性、趣味、嗜好、行動履歴、購買履歴などのデータを活用しながら、一人ひとりに最適なOne to Oneのコミュニケーションができる機能を多数備えています。本セッションでは、WEBCASで実施できる以下4パターンのOne to One配信についてご紹介しました。

1.CSVの宛先リストを基にした手軽なセグメント配信

CSVリストの中に「性別」「年代」などの項目を持たせることにより、リストの項目を参照した属性別メール配信を行う方法です。もちろん「名前」「会社名」などユーザー個別の情報を自由に差し込んで配信することも可能です。これにより「自分宛てに来たメールだ」と受信者に認識していただくことができ、開封率やクリック率の向上につながります。

2.配信条件を設定したOne to One配信(ブロック別メール配信)

「WEBCAS e-mail」は、メール本文を縦積みの「ブロック」という単位で構成しており、それぞれのブロックに配信条件を設定できます。本機能を使った成功事例として、ゲームアプリの開発を行うバンク・オブ・イノベーション様の事例をご紹介しました。

「休眠ゲームユーザー」の掘り起こしを目的にWEBCASを導入した同社は、「ゲーム内でこんな行動をしているユーザーはこのアイテムをプレゼントすれば喜んでくれる」といったこれまでの分析結果を元に、複数パターンのメール文面をWEBCASの「ブロック」で出し分けられるように作成しました。そして各メールの件名および本文に配信条件を設定し、ターゲットに合わせてメールを配信しました。その結果、月間のメールによる売上がメール配信システム利用料の100倍を記録するという驚くべき成果が出ました。

メール件名およびメール本文の送り分け(イメージ)

メール件名およびメール本文の送り分け(イメージ)

3.「WEBCAS上に作成したデータベース」を活用したOne to Oneメール配信

「WEBCAS e-mail」はクラウド上に顧客データベースを新規作成し、データベースと連動したOne to Oneメール配信を行うことができます。本機能を使った成功事例として、全日空商事様(BtoBビジネス)の事例をご紹介しました。

同社は、取引先の担当者様や名刺交換をしたお客様に対し、WEBCASで「営業担当者別HTMLメール」を配信しています。データベースには「会社名」「お名前」「メールアドレス」などの基本項目のほか、同社の「営業担当者」「営業担当者メールアドレス」という項目を設定しています。メールの冒頭には営業担当者それぞれの顔写真付きクイズ、末尾には営業担当者別のコラムが差し込まれるようにし、顧客ごとに送り分けています。これらの取り組みの結果、返信数が大幅にアップし、開封率40%を記録しました。

営業担当者別HTMLメール

営業担当者別HTMLメール

4.既存データベースや外部システムと連携したOne to Oneメール配信

「WEBCAS e-mail」は、既存の顧客データベースや他システムとの柔軟な連携ができる点が強みのひとつです。複数のECシステム、レコメンドエンジン、ポイントシステム、キャンペーン管理システム等とも連携できるため、すでに社内にある様々なデータ(顧客の購買履歴、行動履歴等)を活用したOne to Oneメール配信が実現します。本セッションでは、キャンペーン管理システム「Aimstar」(スプリームシステムコンサルティング社製品)とWEBCASを連携したメールマーケティングを実施しているベルーナ様の事例をご紹介しました。

同社は、Aimstarでメルマガ会員を「購入率が高い商品カテゴリ」で9セグメントに分け、そのセグメントに合った商品情報(お客様に合った新着商品や再入荷アイテム、値下げアイテム等)をWEBCASから配信しています。これらの取り組みの結果、メールでの受注額が大幅にアップし、メールによる売上が前年度比1.9倍に、そして従来行っていた「全顧客同一ランキングメルマガ」と比較したメールでの受注額は1.5倍となりました。

曜日毎にテーマを変えて配信

曜日毎にテーマを変えて配信

視聴者の方から寄せられたご質問と、エイジア 藤田からの回答(一部)

Q:花王様がメインで使用されているのはWEBCASのアンケート機能だと思いましたが、メール配信とアンケートは別ツールなのでしょうか?一緒に使うこともできるのでしょうか?
A:基本的には別ツールですが、アンケートとメールを連携すれば「メール会員限定のクローズドアンケート」なども実施できるため、それぞれのツールを導入し連携して使っていただいている場合も多いです。また、メール配信とアンケートがセットになったプランもご用意しているのでご興味のある方はお問い合わせください。

セッション3:コロナ禍の中でパリミキが事業を成長してきた秘訣とWeb施策について

セッション3では、株式会社三城ホールディングス 事業開発 Digital Device Solutions J&T DREAM CHANCE 萩山氏より、コロナ禍で落ち込んだ売上をWebとの連動でどのように回復させたのか、また、2019年に実施したWebサイトリニューアルおよびコネクティ社のCMS導入ついてご紹介いただきました。

1995年に三城に入社した萩山氏は、約20年にわたり店頭での眼鏡販売に従事され、その後「iPadを全社員に導入する」というプロジェクトの担当になったことが転機となり、デジタルマーケティングの分野に携わることとなりました。2019年にコーポレートサイトのリニューアルプロジェクトに参画し、現在はIT部門の責任者として情報システム部門およびコーポレートサイト・ECサイトの管理運用を担当されています。

三城 萩山様

三城 萩山様

コロナ禍で、創業以来最大の売上低下を経験。どのように回復させたのか

Made in Japanのオリジナルフレームを中心に、高品質・高付加価値の眼鏡を提供している三城は、2020年に創業から90周年を迎えました。現在は国内で600以上の直営店を展開するなど、多くのお客様から支持をいただきながら着実に成長しています。

そんな同社も、新型コロナウイルスの影響で店舗の休業を余儀なくされ、一度目の緊急事態宣言が発令された2020年4月~5月の売上は創業以来最大の落ち込みでした。しかし、6月以降は客数・売上高ともに堅調に回復し、ほとんどの月において前年を上回る結果が出せたといいます。萩山氏はコロナ禍でパリミキが成長できた秘訣として、「90周年の施策」「お客様ニーズ(テレワーク、外出自粛等)への対応」そして「Webでの取り組み」を紹介されました。

・90周年の施策

2020年に創業90周年を迎えるにあたり、同社では大規模セールをはじめとする様々な企画を考えていました。コロナ禍ではあるものの、「高付加価値の商品をよりお求めやすい価格でご提供したい」「これまで支えてくださったお客様に感謝の気持ちを返したい」という思いのもと、テレビCM、紙媒体(新聞、折込チラシ)、Web広告などを連動させて積極的にプロモーションを行いました。そしてプロモーションの強化と同時に、次にご紹介する「お客様ニーズ(テレワーク、外出自粛等)への対応」をしっかりと行ったそうです。

・お客様ニーズ(テレワーク、外出自粛等)への対応

コロナ禍ではテレワークの増加や巣ごもり需要に伴い、30~40代の男性を中心に、コンタクトレンズから眼鏡にシフトするお客様が増えたといいます。三城では「ブルーライトカット」など高機能な室内用レンズを多数展開していたため、このタイミングでそれらの商品を積極的にご紹介しました。また、同社では以前から「ビジュアルライフケア測定※2」と呼ばれるこだわりの視力測定とメガネ選びのサポートを行っていたため、本サービスを通じてお客様の生活環境の変化に合わせたきめ細やかな提案をこれまで以上に心がけました。

※2 ビジュアルライフケア測定
約40項目に及ぶ視力測定項目の中から、一人ひとりのお客様のお困り事に合わせて検査をカスタマイズする完全無料のサービス。たとえば「夜間の運転時に前方の状況をとらえづらくなった」というお客様には「ベーシック測定」と「運転視力測定」を受けていただくなど、お悩みやお困り事に寄り添う測定で生活をサポートする。

さらにコロナ禍で外出自粛が呼びかけられる中、「眼鏡を購入したいが外出時間をできるだけ減らしたい」というお客様のニーズも増えたといいます。そこで同社は、できるだけ少ない滞在時間で満足のいくお買い物ができるよう「Web来店予約」の取り組みを強化しました。具体的には、チラシやDMの中に「来店予約URL」をQRコードにして掲載したり、Webサイトやプレスリリースで告知したりと、来店予約について積極的にアピールしました。萩山氏は『国内の直営店は約600店舗あるので、それぞれのお客様が最適な店舗で来店予約ができるよう、各店個別の来店予約URLを作成しDMに印刷しました。大変な作業でしたが多くの来店予約をいただくことができ、店舗スタッフからも好評でした』と紹介されました。

三城様DM

三城様DM

・Webでの取り組み

チラシやDMと同様、Web上でも「来店予約」をアピールしました。また、コロナ禍では特にWebコンテンツの充実に注力したそうです。具体的には、テレワーク・PC利用にまつわる目のトラブルとその解決方法や、マスク着用による眼鏡の曇り対策など、時勢にあわせたお悩み事を解決する記事コンテンツを発信し、Webサイトへの流入を強化しました。三城の強みであるきめ細やかな視力測定と豊富な機能性レンズについてもわかりやすく紹介したことで、PV(ページビュー)が大幅にアップしたことに加え、店舗への送客にも貢献できたそうです。

三城様記事コンテンツ1

三城様記事コンテンツ1

三城様記事コンテンツ2

三城様記事コンテンツ2

萩山氏は『コロナ禍で厳しい時こそ、Webを含めた店内外の施策、スタッフのトレーニング、おもてなしのしつらえ等を強化し、お客様のニーズに合わせてそれをしっかり告知したことが回復の主な要因だと考えています』と語りました。

2019年のWebサイトリニューアルでコネクティ社のCMSを導入。PDCAサイクルを効率よく回せるようになった

続いて萩山氏は、2019年に実施したWebサイトリニューアルついてご紹介されました。リニューアル前のWebサイトは、「リリースから長年経過しておりデザインが古い」「トップページが煩雑になり情報が適切に提供できない」「スマホ対応しておらず、Webサイトを見る年代層に効果的な訴求ができない」「更新作業が煩雑で運用負荷が増大している」等、様々な課題がありました。

そこで、これらの課題を解決するためコネクティのクラウドCMS「Connecty CMS on Demand」を採用し、Webサイトを大幅にリニューアルしました。リニューアルではスマホ対応やデザイン・構成の改善を行い、特に視力測定やレンズのページでは情報をわかりやすくお伝えできるよう設計を見直しました。また、三城の基幹システム(商品マスタ、店舗マスタ、顧客マスタ等)とコネクティのクラウドプラットフォーム(DBおよびCMS)を連携することで、更新作業の負荷を軽減しつつ、常に最新の情報をWebサイトで公開できるようにしたそうです。

複数のサイトを同じシステムで運用管理

複数のサイトを同じシステムで運用管理

現在異なるドメインで5つのWebサイトを運営しているが、1つのシステムで全て運用可能。また、承認フローはそれぞれで設定できるためセキュリティも担保。各Webサイトを同一システム内で管理できるため、コンテンツも共有できる。

さらに三城では「Connecty CMS on Demand」をグループ全体のWeb基盤として展開し、複数のサイト管理に利用しているほか、CMSとMAを連携するなどその活用範囲をさらに拡大させています。

また以前はWebサイト改善のPDCAを自社で回していましたが、2020年からは運用支援もコネクティに依頼しているとのことで、萩山氏は『コネクティに運用支援をお願いしてからはPV数・セッション数ともに順調に増加しています。狙っているキーワードの検索順位も上がり、効率よくPDCAを回すことができるようになりました』と語りました。続けて『眼鏡は買い替えサイクルが長い商材なので、いかにお客様とのつながりを保てるかがこれからの課題です。今後はマーケティングオートメーションツール等を活用して長期的に顧客接点を持ちつつ、一人ひとりのお客様により最適なコンテンツをご案内できるようにしていきたいです』と今後の展望を語り、セッションを締めくくりました。

視聴者の方から寄せられたご質問と、三城 萩山氏からの回答(一部)

Q:コロナの影響で、来店客層に変化はありましたか?
A:はい。これまでの当社のメイン顧客層よりも少し若い方の予約が増えました。セッションの中で「Web来店予約」を強化したとご説明しましたが、その施策が若い方のニーズに合致していたのだと考えています。

Q:対面でお客様との交流が減ったことによる影響はありましたか?
A:接客時間はコロナ前よりも短くなりました。そのため、いかに短い時間の中で適切なご提案ができるかが重要になったと考えています。Webコンテンツを充実させることで、お客様は来店前に三城の商品について色々と調べることもできるので、この取り組みは続けていきたいですね。

Q:三城ホールティングス様がコネクティのCMSを採用した一番の決め手はなんだったのでしょうか?
A:一番の決め手は「更新のしやすさ」です。特にブロックレイアウトの使いやすさを評価しました。

セッション4:デジタルマーケティングにおけるCMSの活用術/コネクティサービス紹介 2021 Spring「Connecty CMS on Demand」新サービスリリース

セッション4では、株式会社コネクティ 代表取締役社長 服部より、同社が提供するCMSの特徴やCMSの活用意義、今春リリースする新サービス等をご紹介しました。

2005年に設立されたコネクティは、約15年にわたり大手企業のWeb支援をメインに行い、2020年10月にエイジアグループに参画しました。現在は主に「クラウドCMS基盤の提供」「コーポレートサイトの構築」「Webデータ分析およびコンサルティング」を中心に、企業のデジタル戦略をワンストップで支援しています。服部は『広告代理店や制作会社、SIerが携わる部分をすべてカバーしているのが弊社の特徴です。Web戦略、制作、CMS、Webアプリケーション開発まで一気通貫でお手伝いできることに評価をいただき、国内の様々なリーディングカンパニーに選んでいただいています』と紹介しました。

コネクティ服部

コネクティ服部

コネクティのCMS「Connecty CMS on Demand」とは

Connecty CMS on Demand(以下 CMSoD)」には、以下3つの特徴があります。

1.クラウドだからシステム・インフラの管理が不要

クラウドCMSのためスピーディーに導入できることはもちろん、面倒なインフラの構築や保守、システムのメンテナンスも必要ありません。さらに無償でバージョンアップを行うため、常に最新の機能やセキュリティ対策が施された環境を利用できるというメリットがあります。

2.安心の国産かつ‟大企業・大規模向け特化サービス”

国産サービス=開発会社が近くにいるため、問い合わせサポートやマニュアルも充実しておりカスタマイズ等の相談が容易に行えます。また、複数部門で利用するためのアクセス管理機能や複数Webサイト管理機能など、大規模Webサイト運用に最適な機能が多数揃っています。

3.静的+動的管理が可能なハイブリッド構造で、Webサイトを自由に設計可能

アプリと呼ばれるDB(データベース)構築ユニットで、商品情報や店舗情報など企業様それぞれのニーズに合わせたDB/機能開発が行えます。一方、DBで管理しない静的ページ等は自由にデザインが可能です。もちろん、HTMLを触らなくても簡単に更新ができるリッチエディタも搭載しています。

静的+動的管理が可能なハイブリッド構造で、Webサイトを自由に設計可能

静的+動的管理が可能なハイブリッド構造で、Webサイトを自由に設計可能

プロも担当者も運用に参加:4種類の更新方法でWebサイトの各所を簡単に更新できる

企業がCMSを活用する意義

お客様が企業のWebサイトに接触する機会が増加する中、「Webコンテンツの量」や「コンテンツ改善のスピード」がより重要になっています。CMSを導入することで効率的にコンテンツを量産・改修し続けられる仕組みを作れることはもちろん、複数人・複数部署(グループ会社、海外販社含む)での更新が可能になり、オペレーションを統一することができます。また、セキュリティや安全性の高いサイトガバナンスを簡単に実現できることもメリットです。服部は、『CMSと基幹のDBをつなげることで、たとえば消費税率が変わった際には値段表示を一括で更新したり、サービス名の変更や休止が発生した際には一括で修正したり…といった運用も可能になります』と語りました。

「CMSoD」の新サービス

2020年秋、「CMSoD」には「企業がDXを推進していくためのオプションサービス」が複数登場しました。具体的には、従来オンプレミスでないと実現できなかった基幹システムとの連携や、企業独自のセキュリティ基準をクリアするためのサービス(IP制限、クライアント証明書、WAF対応等)を次々とリリースしています。

そして2021年春、ついに「ヘッドレスOPTIONS」がリリースされる予定です。こちらは昨今話題になっている「ヘッドレスCMS」と同様のオプション機能で、いわゆるビュー(表示する画面)のないCMSのことを指します。コンテンツを管理するバックエンドの機能だけを持ち、見た目を決めるテーマやCSSなどは持ちません。従来はWebサイト全体をCMS化して「CMSoD」を採用いただく必要がありましたが、「ヘッドレスOPTIONS」を使うことで、たとえば現在利用しているWebサーバはそのまま(Webサイト環境を変更する必要なく)、Webサイトの一部分だけを「CMSoD」でCMS化するという運用ができるようになります。服部は、『このほかにも新しいフォーム機能やEFO機能をリリース予定なので、今後の進化にもぜひご期待ください』と語りました。

視聴者の方から寄せられたご質問と、コネクティ 服部からの回答(一部)

Q:自社でWebサイトをうまく活用できているのかわかりません。そういったものを評価するポイントや判断軸はありますか?
A:色々ございます。当社では、「ユーザーがどのようにサイトを活用しているか」「どう動いているのか」など、ユーザーのWeb行動を分析することが一番の答えになると考えています。そちらも含め、当社のWeb分析サービスをおすすめしています。

Q:コネクティさんのサービスのGA分析では、Webサイトの分析における見るべき指標や目安などもあわせて提案してくれますか?
A:はい、もちろんです。レポートをしておしまいではなく、「こういうやり方なら自社の中でPDCAを回して改善していけます」という具体的な提案をさせていただいております。

参加者様からいただいたお声(一部)

セッション1:花王様

「自社のプロモーションにも活かしてみたい観点が複数ありました。」

「メール、アンケートを用いたマーケティング方法がとても参考になりました。」

「花王さんのモノづくりやこれからの方向性を知ることができ、デジタルになっても人を大事にしていく姿勢は変わらないということを改めて気づかされました。」

「共創コミュニティの概略がすごくおもしろかったです。コンテンツ内容や企画なども工夫されており大変参考になりました。」

セッション2:エイジア

「メールも使いようで威力を発揮することを理解しました。」

「メール配信については受け手としてあまりよいイメージをもっていませんでしたが、そのような先入観を変えてくれるメール配信システムであると思いました。」

「利用させていただいているので、ご講演を伺い、さらに安心感を持ちました。」

セッション3:三城ホールディングス様

「コロナ禍にあっても事業を成長させられるWeb施策が非常に参考になりました。」

「現状コロナの影響を受けながらどのような取り組みをして、成長を継続しているか大変わかりやすかったです。」

「CMSの実際の活用イメージがわきました。」

セッション4:コネクティ

「Web上での課題を多く抱えているので、解決に向けて興味ある内容でした。」

「縁遠い内容かと思いましたが、クラウドを使ったコンテンツ作りの重要性を再認識しました。分野が異なるのですが、とても勉強になりました。ありがとうございます。」

「CMS自体についての知識が乏しく、インターフェイスとしてどんな形になるのかがイメージできていませんでしたが、まずはCMSについて勉強するというきっかけとなりました。採用するにしろしないにしろ、デジタルマーケティングに取り組むにあたっては知っておくことは必須であると感じました。」

●花王様のWEBCAS導入事例インタビューは、以下よりご覧いただけます

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