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こんにちは。メール配信システム「WEBCAS e-mail」のマーケティングチームです。
今回のテーマは「BIMIについて」です。
顧客へメールを送った際、「顧客側の受信トレイに自社のブランドロゴを表示させたい、視覚的にブランドを認識させることで開封率を上げたい」という企業のご担当者様は多いのではないでしょうか。
メールマーケティングにおけるブランドイメージ強化の手段として、昨今注目を集めているのが「BIMI(ビミ)」の導入です。BIMIを活用すると、顧客側の受信トレイでメールに自社のブランドロゴを表示させることが可能です。
それだけではなく、メールセキュリティの強化にもつながるというメリットがあります。BIMIの導入には証明書を申請する等の公式企業でしかできない手続きが必要であり、なりすましやフィッシング攻撃への対策としても有効です。
本記事では、BIMIの仕組みから導入メリット、注意点などをわかりやすく解説します。
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BIMI(ビミ:Brand Indicators for Message Identification)とは、メールの受信時に送信元企業のブランドロゴを表示できる仕組みです。これにより、受信者は信頼できる企業からのメールであることが視覚的に認識できるため、ブランド認知度やメール開封率の向上が期待できます。
BIMIは、既存のメール認証技術であるSPF・DKIM・DMARCの設定を前提とした拡張機能です。中でも、DMARCで正しく認証されたメールであることが導入の大前提となります。
DMARC(ディーマーク:Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)とは、送信ドメイン認証の一種で、メールに記載された送信元(ヘッダーFrom)のドメインが、本当にそのドメインから送信されたものかを検証します。
SPF(エスピーエフ:Sender Policy Framework)やDKIM(ディーキム:DomainKeys Identified Mail)といった技術を組み合わせ、認証に失敗した場合の処理方針(ポリシー)を定義することで、なりすましメールやフィッシングメールの受信を防ぐ効果があります。
BIMIはこうしたメール認証の信頼性を基盤とし、さらに「視覚的な信頼性」もプラスすることで、受信者にとってわかりやすく、より信頼性の高いメール受信環境を提供します。
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BIMIを導入すると、あらかじめ設定したブランドロゴがメールソフトの差出人欄の横に表示されるようになります。
これにより、メールを開封する前の段階で「どの企業から届いたメールか」がひと目でわかります。
BIMIを活用し、顧客側の受信トレイで送信したメールに自社のブランドロゴを表示させるイメージ
2025年7月現在、主に以下のメールサービスがBIMIに対応しています。
BIMIは、単にロゴを表示するだけの技術ではありません。メールの開封率向上やブランドの信頼性強化、フィッシング対策としてのセキュリティ向上、さらには他社との差別化など、複数の面で企業にもたらす効果があります。
ここでは、BIMIを導入することで期待できる主な効果を、4つの観点から整理して紹介します。
ブランドロゴが差出人欄に表示されることで、受信者の注意を引きやすくなり、メールの視認性が高まります。公式のメールであることが視覚的に分かるため安心感が生まれ、開封を後押しする効果も見込めます。さらにメールの正当性が強調されるため、迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクの軽減にもつながるでしょう。
ロゴを通じて、一貫したブランドイメージを受信者に訴求できるのがBIMIの特長です。BIMIは、正規の送信者でなければ利用できない仕組みのため、「本物のブランド」であることを視覚的に伝えられます。ブランドの視認性と信頼性の両方を高め、中長期的には顧客のロイヤルティ向上にも寄与します。
BIMIはSPF・DKIM・DMARCといった既存のメール認証技術の上に成り立っているため、技術的にも高い「なりすまし対策」であるといえます。ロゴが表示されていないメールに対しては「なりすましの可能性がある」という意識が働きやすくなり、フィッシングメールの判別にも役立ちます。
BIMIの導入は、大手企業や金融機関などを中心に広まりつつあります。いち早くBIMIを導入することで、セキュリティやブランディングに真摯に取り組んでいる企業であることを社外に印象づけることができます。
特に、顧客や取引先に対しては「安心してメールを受け取れる企業」という印象を与えやすく、他社との差別化にも有効です。また、社内においてもDX推進やセキュリティ強化の取り組みとして評価されやすいでしょう。
BIMIは、すべての企業にとって導入が必須というわけではありませんが、以下の項目に当てはまる企業は、BIMIの導入を前向きに検討する価値があると言えるでしょう。
BIMIは、ブランド価値の向上やセキュリティ強化に貢献する一方で、導入にあたってはいくつかの注意点や実務的な調整が必要です。特に、技術面や関係部門との連携、導入コストの把握など、事前に確認・準備すべき項目がいくつかあります。
ここでは、BIMIをスムーズに導入するために理解しておくべきポイントを4つの視点から紹介します。
BIMIを導入するには、SPF・DKIM・DMARCの3つのメール認証技術を正しく設定していることが前提となります。中でも、DMARCにおいては「quarantine(隔離)」または「reject(拒否)」といったポリシーの設定が求められます。
これらの設定には、DNSのレコード追加やドメイン管理に関する専門知識が必要であり、情報システム部門との連携が欠かせません。技術的な要件を満たしていない場合には、BIMIの導入以前に、まず認証基盤の整備から取り組む必要があります。
BIMIによってブランドロゴを表示するには、VMC(Verified Mark Certificate)という証明書の取得が必要です。このVMCを取得するには、企業のロゴが正式に商標登録されていることが条件となります。
そのため、まずは自社ロゴが商標登録済みかどうかを法務部門と確認・共有することが重要です。もし未登録である場合は、VMCの取得を見送るか、ロゴの商標登録手続きを進めるかといった判断が求められます。
BIMIを導入するには、複数の部門との連携が欠かせません。ドメイン管理やDNSの設定といった技術的な作業は情報システム部門の管轄であり、早い段階から協力体制の構築が求められます。
また、ロゴの商標登録状況やVMCの取得については法務部門との確認・調整が必要です。企業によっては、セキュリティポリシーや社内ガバナンスとの整合性も検討事項となるため、経営層やCSIRT(情報セキュリティインシデント対応チーム)との合意形成が必要になるケースもあります。
BIMIを導入するには、費用面や体制面での事前検討が欠かせません。特に、VMCの取得には年間で二十万円程度のコストが発生します。
加えて、「どの部署が主導するのか」「社内のどこまで巻き込むべきか」といった体制面も整理しておくことが重要です。導入目的や現在の認証状況、費用感、他社事例などをまとめた上で、稟議や会議で使用する説明資料を準備しておくと社内合意を得やすくなります。
その際に意識したいのが、「なぜ今BIMIが必要なのか」を明確に伝えることです。特に、開封率の向上やブランド信頼性の強化といったマーケティング視点での必要性を言語化できていると、社内の理解や納得を得やすいでしょう。
BIMIを正しく表示させるには、いくつかの技術的なステップがあります。ここでは、導入に必要な5つのステップについて、それぞれの内容を簡潔に紹介します。
まずは、前述の通り組織ドメインに設定されているDMARCポリシーを、「p=reject」または 「p=quarantine」に変更する必要があります。このポリシーの変更によって送信ドメイン認証に失敗したメールの取り扱いが厳格になり、不正なメールの排除が強化されます。BIMIは、このようにDMARCポリシーが適切に設定されていることを前提に機能する仕組みです。
次に、ブランドロゴをBIMIに適した形式に整備します。具体的には、商標登録されているブランドロゴをSVG形式で作成し、設定する必要があります。高い視認性と軽量なデータ形式により、各種メールクライアントで安定した表示が可能になります。
ブランドロゴを表示させるためのVMC(認証マーク証明書)を認定機関から購入・申請します。VMCは、自社ロゴが商標登録済みであることを証明する役割を果たします。
VMCの発行が完了したら、証明書ファイルをWebサーバにアップロードし、BIMIレコードをDNSで公開します。DNS(ディーエヌエス:Domain Name System)とは、ドメイン名とIPアドレスを紐づける仕組みで、BIMIロゴの表示にも欠かせない要素です。正しく設定することで、メール受信側がロゴの情報を取得できるようになります。
すべての設定が完了したら、対応しているメールサービスで実際にBIMIが正しく表示されるかどうかを確認します。
BIMIの導入にあたっては、前述の通り技術的な設定や社内調整など、一定のハードルも存在します。
そのため、必要に応じて外部の導入支援サービスを活用することをおすすめします。
外部サービスでは、導入初期の設計支援をはじめ、技術的な設定作業の代行、VMC取得のサポートまで幅広く対応しているケースが多く、社内にかかる負担を大きく軽減できます。また、スピーディーに導入を進められることも大きなメリットです。
「興味はあるが、どこから手をつければよいか分からない」「他社の導入事例を参考にしながら進めたい」といった企業にとっても、こうしたサポートの活用は有効な手段と言えるでしょう。
BIMIは、ブランドロゴをメールに表示させて送信元の信頼性を視覚的に高める仕組みであり、開封率やブランド認知度の向上、フィッシング対策などの効果が期待されます。
SPF・DKIM・DMARCといったメール認証技術を整備した上で導入することで、企業と顧客の信頼関係をより強化できます。
ただし、BIMIの導入には技術的な設定や社内調整が伴うため、スムーズに進めるには専門的な知見が求められます。
「BIMIを導入したいが手順がよく分からない」「VMCの取得やDNSの設定に不安がある」といったお悩みをお持ちの場合は、当社WOW WORLDまでお気軽にご相談ください。
当社のBIMI導入支援サービスでは、DMARCのポリシー引き上げ支援からBIMIの導入に向けた証明書取得・申請、DNSの設定支援までを一貫してサポートします。
「BIMI導入支援サービス」に関するご相談などお気軽にご連絡ください。オンラインでのご説明も可能です。
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