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【イベントレポート】『「DIGITAL RELATIONS 2021 Autumn」顧客エンゲージメントの高め方~事例に学ぶコミュニケーションを活性化させるWebサイトづくりと運用方法~』2021年9月28日(火)開催

セミナー

コミュニケーションシステム「WEBCAS(ウェブキャス)」の企画開発・販売を通して、企業のマーケティングとカスタマーサクセスにおけるコミュニケーションの課題解決を支援するWOW WORLDは、国産クラウドCMSのトップベンダーであるグループ会社のコネクティと共催で、「顧客エンゲージメントの高め方」をテーマにしたWeb担当者向け無料オンラインイベント「DIGITAL RELATIONS 2021 Autumn」を、2021年9月28日に開催しました。

今回は事例として、WOW WORLDのクライアントである損害保険ジャパン様ならびにコネクティのクライアントであるセゾン投信様をゲストスピーカーに迎え、CRMやメールマーケティング、Web施策などの観点から「デジタルを活用した企業と顧客のリレーション」についてお話しいただきました。また、WOW WORLDからコミュニケーションシステム「WEBCAS」と顧客エンゲージメント強化の成功事例のご紹介を、企業のサイトブランディング・リニューアルをトータルで支援するコネクティからはパーパス発信型のサイトリニューアル事例を紹介いたしました。

イベントはZoom配信で開催したため、視聴者からチャットでリアルタイムに質問やご意見を多数いただきました。本レポートでは、それらのQ&Aの一部もご紹介いたします。

「DIGITAL RELATIONS 2021 Autumn

「DIGITAL RELATIONS 2021 Autumn

写真左より、コネクティ 服部、セゾン投信 園部氏、損害保険ジャパン 清水氏、WOW WORLD 美濃、WOW WORLD 中村

<目次>
▼キーノート:
「WOW」があふれる企業と顧客の関係づくり

株式会社WOW WORLD 代表取締役社長 美濃 和男

▼セッション1:
CRMプラットフォームを活用した顧客とのデジタルコミュニケーション活性化の取り組み
~リリースから2年で月間7,000万PVに成長したSOMPO Parkでのマーケティング~

損害保険ジャパン株式会社 ビジネスデザイン戦略部 課長 清水 廣臣氏

▼セッション2:
WEBCASと顧客エンゲージメント強化の成功事例のご紹介

株式会社WOW WORLD マーケティング部長 中村 竜次郎

▼セッション3:
顧客と企業の共創を生み出す、パーパスを中心としたサイトリニューアルの勧め

株式会社コネクティ 代表取締役社長 服部 恭之

▼セッション4:
共感を生むWebサイト構築とCMSを活用したコミュニケーション深化

セゾン投信株式会社 代表取締役社長COO 園部 鷹博氏

▼パネルディスカッション
これから世の中に求められる企業と顧客との関係づくり

<パネリスト>
損害保険ジャパン株式会社 ビジネスデザイン戦略部 課長 清水 廣臣氏
セゾン投信株式会社 代表取締役社長COO 園部 鷹博氏
株式会社コネクティ 代表取締役社長 服部 恭之
<モデレーター>
株式会社WOW WORLD マーケティング部長 中村 竜次郎

キーノート:「WOW」があふれる企業と顧客の関係づくり

オープニングのキーノートでは、当社代表取締役社長の美濃より、2021年7月1日に変更した新社名に込めた想いのご紹介とともに、本イベントの趣旨でもある企業と顧客の関係づくりについてご紹介しました。

株式会社WOW WORLD 代表取締役社長 美濃 和男

株式会社WOW WORLD 代表取締役社長 美濃 和男

1.WOW WORLDが目指す世界

2021年7月、株式会社エイジアは株式会社WOW WORLD(ワオワールド)に社名を変更しました。うれしいことに出会った時に人が思わず口にする、喜びの感嘆詞「WOW!」。その「WOW!」があふれる「セカイ」をつくることに、私たちは人と技術の力で貢献したい、それが社名に込めた思いです。

続いて、WOW WORLDグループの新しいビジョン、ミッション、バリューを紹介しました。

経営方針

経営方針

2.グループの総合力を強化し、さらなる包括的なソリューションを提供

今回のイベント共催企業であるコネクティは、昨年10月に当社グループに加わりました。これにより、当社グループは、販売促進・マーケティング施策の見込み顧客の発掘から固定客化まで一気通貫したソリューションを提供できる事業体となりました。

WOW WORLDが提供するメール配信エンジンやCRMツールはリピートを促すソリューションであり、コネクティが提供するクラウドCMS、Webサイト構築・運用のご支援は集客のソリューションです。この両社がタッグを組むことにより、デジタルマーケティングを1本につながったソリューションとして提供できるようになりました。さらにグループ力を生かし、サービスを強固なものにするために、2021年10月「Connecty CDP」をリリースしました。CDPサービスが加わることにより、最適な打ち手を導き、多くのチャネルで見込み顧客、既存顧客にアプローチすることが可能になります。

事業形態

事業形態

美濃は最後に、「WOW!があふれる世界をつくるために、現在全社を挙げてカスタマーサクセスに取り組んでいる」と紹介し、損害保険ジャパン様とセゾン投信様が実践されているカスタマーサクセス事例を、当社でも参考にさせていただきたいと述べました。

セッション1:CRMプラットフォームを活用した顧客とのデジタルコミュニケーション活性化の取り組み ~リリースから2年で月間7,000万PVに成長したSOMPO Parkでのマーケティング~

セッション1では、損害保険ジャパン株式会社 ビジネスデザイン戦略部 課長の清水氏より、CRMプラットフォームである「SOMPO Park」でのお客さまとのエンゲージメント向上施策やマーケティングの取り組み事例をご紹介いただきました。

2001年に損害保険ジャパンに入社した清水氏は、損害保険代理店の販売支援業務を経て、マーケティング部門にて保険契約データを活用した顧客分析業務や、主にBtoC向け損害保険商材のデジタルプロモーション業務に従事されました。2017年より新規事業開発部門である現部署のビジネスデザイン戦略部の立ち上げに関わるとともに、顧客とのデジタル上での直接接点を目的としたCRMプラットフォームの開発を推進。2019年7月よりオウンドメディア「SOMPO Park」を活用したデジタルマーケティングの統括責任者を担当されています。

損害保険ジャパン株式会社 ビジネスデザイン戦略部 課長 清水 廣臣氏

損害保険ジャパン株式会社 ビジネスデザイン戦略部 課長 清水 廣臣氏

1.デジタル上で顧客と日常接点を構築することを目指し「SOMPO Park」をリリース

同社は損害保険事業、特に自動車保険を主力事業としていますが、昨今は少子高齢化やライフスタイル等の変化によって自動車の保有台数が減り、損害保険の需要減少を懸念されています。また、デジタル技術を活用した新たな競合が損害保険業界に参入してくることにも危機感を持たれています。清水氏が所属するビジネスデザイン戦略部は、これらの脅威に対抗すべく“新たな収益事業の創出”をミッションに2017年に新設されました。設立から3年余りで保険領域・保険以外の領域で6つの事業を立ち上げてきました。

その中のひとつとしてリリースされたのが、本セッションで紹介いただいたSOMPO Parkです。2019年7月にリリースしたSOMPO Parkは、商品・サービスに馴染みのない一般のユーザーとのデジタル上での日常接点を構築し、ファンになっていただくことで、ブランド想起し商品利用につなげることを目指しています。“得する、楽しい、役立つ”の3本柱で消費者の方が使いたくなるようなコンテンツをオウンドメディア上で展開し、プラットフォームの拡大と接触頻度の拡充を目指すとともに、保険契約時のデータと SOMPO Park上で展開しているアンケートやクイズのコンテンツデータを組み合わせて、グループで保有している商品・サービスに関心の高いユーザーの分析をしてお客様に適切なサービスを適切なタイミングでご案内をしています。

2.リリースから2年で月間7,000万PVのプラットフォームに成長した顧客とのコミュニケーション設計

SOMPO Parkは、リリースして2年で金融機関のみならず国内の事業会社の中でも大きな規模に成長しており、他の金融機関にはないアセットとして位置づけされています。プラットフォームの規模は約470万人、メディアパワーは月間約7,000万PVとなっています。清水氏は、このような成長を遂げたコンテンツの中心は「SOMPO Parkポイント」というポイントプログラムであると説明されました。このポイントの特徴は貨幣価値を持っていないという点で、「簡単に貯まる」「たくさん貯まる」「貯まると当選確率が高まる」というメリットがあります。ユーザーに“貯める喜び”“使う喜び”を体験してもらうことを狙いとしています。

SOMPO Park

SOMPO Park

■SOMPO Parkポイントの2つの提供価値
1. “貯める喜び”を体験してもらう
現在、10代から80代まで年代に関わらず多くの方がポイントを貯めてくださっており、なかには300万ポイント以上を貯めているユーザーもいらっしゃいます。

2.使う喜び、当たる喜びを体験してもらう
毎月1.5万人が当選する懸賞を用意しています。“当たって嬉しいからまた貯めよう”という心理が働くとともにSNSに投稿するユーザーが多く、それを見た人が入会する好循環が生まれています。

■ワクワク感を醸成する3つのUX
SOMPO Park では、サイトに何度も訪れたくなるようなコンテンツを展開しています。

1.得する体験
プラットフォーム内では、常時30種類程度のキャンペーンを実施しています。これは、サイトに来たらなにかしらキャンペーンをしている、新しいキャンペーンをしていることを認識してもらうことを目的としています。

2.楽しい体験
プラットフォーム内のゲームコンテンツでは、常に新しいミッション・アイテムを追加しています。また、簡単に答えられるクイズやアンケートを用意し、ポイントプログラムとの連携を図っています。

3.役立つ体験
書籍の要約、コラムなどを用意し、学ぶ喜び、ためになったユーザー体験を感じていただくコンテンツを用意しています。

SOMPO Parkコンテンツ

SOMPO Parkコンテンツ

同社では、それぞれのコンテンツや施策を実施した後に、 Google アナリティクス(Webサイトのアクセス解析ツール)で日々分析・可視化をし、現状をクイックに把握しています。現在、 SOMPO Parkの利用度、累計ポイント数が高い方ほどNPS(※1)が高まっているということがわかっているそうです。

※1)NPSとは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で、企業や商品、サービスへのお客様の愛着度を示す「顧客ロイヤリティ」を測る指標です。

3.多角的なデジタルマーケティング施策

続いて、SOMPO Parkのデジタルマーケティングの取り組みについてご説明いただきました。 SOMPO Park のプラットフォーム内には、ユーザーの行動変容を促すためのマーケティング機能が複数備わっています。本セッションでは、数あるマーケティング機能の中で、WEBCASシリーズを活用した2つ機能のご説明をいただきました。

■アンケート機能(「WEBCAS formulator」を利用)
リサーチや興味関心ごとのデータを蓄積しています。また、アンケートの内容や回答によって関心が高そうなユーザーに対し商品やサービスをレコメンドし、効率的な販売促進をしています。年間約300件、延べ680万人のユーザーに回答していただいているそうです。

■メール機能(「WEBCAS e-mail」を利用)
保険商材やサービスをご案内する「損保ジャパンサポートメール」と、キャンペーンやイベントの更新情報などをご案内する「SOMPO Parkメルマガ」の2つを配信し、商品の認知・獲得やサイト定着・ロイヤル化を目指しています。年間で約230通、延べ3,400万通配信を行っているそうです。

4.自社のノウハウやアセットを活用し、企業のデジタルマーケティングの課題解決を支援

SOMPO Parkでは、お客様とのコミュニケーションを活性化させる取り組みや、デジタルマーケティングのノウハウを活用し、他企業のデジタルマーケティングの課題解決につなげる支援を始めています。清水氏は、「470万人の会員組織」「月間7,000万PVのメディアパワー」「活性化されたWebコンテンツ」といった自社のアセットを活用し、効率的なデジタル基盤の拡大を目指すとともに、新たな企業との連携や既存取引企業の支援を行っていく予定だと述べられました。

視聴者の方から寄せられたご質問・清水氏からの回答

Q:サポートメールとメルマガはどの位の頻度で配信していますか?
A:サポートメールは月に1回、メルマガは週に1回配信を行っています。サポートメールとメルマガの他に号外メールをお送りしています。同じお客様に週に2回以上は届かないように意識をしています。

Q:メール配信以外に使っているコミュニケーションツールはありますか?また、今後活用してみたいデジタルツールはありますか?
A:Web接客ツールを一部導入しています。会員属性の情報に合わせて、バナー表示を変えたり、ゲームのアイテムの出しわけをしたりしています。今後、日常のコミュニケーションツールの主流であるLINEの導入を検討しています。

セッション2:WEBCASと顧客エンゲージメント強化の成功事例のご紹介

セッション2では、株式会社WOW WORLD マーケティング部長の中村より、当社が企画開発・販売するコミュニケーションシステム「WEBCAS」についてご紹介しました。本セッションでは、企業と生活者のインターネットを介した多様なコミュニケーション手段のなかでも特にeメールでのコミュニケーションにフォーカスし、WEBCASの導入企業が実施する顧客エンゲージメント強化施策の成功事例をご説明しました。

株式会社WOW WORLD マーケティング部長 中村 竜次郎

株式会社WOW WORLD マーケティング部長 中村 竜次郎

1.企業から情報を受け取る最適な手段として重要視される「企業発行のメールマガジン」

当社では今年の4月に、企業と顧客のコミュニケーションの実態を知るため、1,110人の一般生活者を対象にインターネットリサーチを使った市場調査をしました(【調査レポート】1,110人の生活者に聞いた「企業に求める情報発信とコミュニケーション方法」) 。
その調査の中で「あなたは企業から情報を受け取る最適な手段(方法)はなんだと思いますか」という質問に対して、47%の人が「企業発行のメールマガジン」と回答しました。「アプリでの通知」が27%、「SNS」が20%という結果から、顧客に求められるコミュニケーションツールで重視されるのは企業発行のメールマガジンと捉えることができます。

あなたは企業から情報を受け取る最適な手段(方法)はなんだと思いますか

あなたは企業から情報を受け取る最適な手段(方法)はなんだと思いますか

また、「あなたは企業と何でつながりたいと思いますか」という質問に対しては39%の人が「企業が発行するメールマガジンの購読」と答えています。これは「SNSのフォロー」の17%よりも圧倒的に多く、顧客とのエンゲージメント向上にメールマーケティングは欠かせない手段であると言えるでしょう。

あなたは企業と何でつながりたいと思いますか

あなたは企業と何でつながりたいと思いますか

同調査結果をもとに、今年6月には別の調査レポート「メールマガジンに求める情報と活用方法」を公開しています(【調査レポート】1,110人の生活者に聞いた「メールマガジンに求める情報と活用方法」) 。
その中の「あなたが届いたメールマガジンを読もうとする理由はなんですか」という質問に対して、63%の人が「件名(タイトル)や内容が興味深い」、41%の人が「メールマガジンの冒頭に興味のある情報が掲載されている」と回答しています。ただメールを送るだけではなく、最適化された情報の提供が、メールを読んでもらうためには必要と数値からもわかります。

あなたが届いたメールマガジンを読もうとする理由はなんですか

あなたが届いたメールマガジンを読もうとする理由はなんですか

この調査結果から、当社ではメールマガジンを発行する上で重要なのは、「自分宛てのメールだ」と思っていただくこと、つまりOne to Oneの配信(属性や趣味、嗜好、行動履歴、購買履歴などのデータをもとに一人ひとりに最適化された情報を届けること)が大切だと考えています。

WEBCASでOne to Oneメール配信をしたい場合、

1.CSVを取り込んで送信
2.WEBCASで作成したデータベースと連動させて送信
3.お客様がすでに持っているデータベースと連携させて送信


等の方法があり、本セッションではパターン別のお客様事例をいくつかご紹介しました。

2.WEBCASでOne to One配信をしているお客様の成功事例をご紹介

・WEBCASで作成したデータベースと連動したOne to One配信
WEBCASのデータベースを活用してメール配信をしている事例として、フリーランスのエンジニア紹介事業を展開しているアン・コンサルティング様をご紹介しました。

抽出条件設定イメージ

抽出条件設定イメージ

同社では、WEBCASを利用して「クライアント企業向けメール」と「パートナー企業向けメール」の2種類のメールを配信しています。「クライアント企業向けメール」では、データベースに登録した企業カテゴリ、案件ジャンル、エリアなどから募集内容やエリアで条件を抽出し、エンジニアの経験やスキル、希望金額、人柄等を紹介するメールをセグメント配信しています。「パートナー企業向けメール」ではエンジニアを抱えるパートナー企業に、案件内容や期間、案件の必要スキルなどをセグメント送信してエンジニア人材の紹介を促しています。

WEBCASを導入してセグメント配信に切り替えたことで、メール経由の引き合いが増加し、さらにセグメント配信をしているにも関わらず、配信作業時間が半減したとお声をいただいております。

・既存顧客データベースと連動したOne to One配信
お客様のデータベースとWEBCASを連動させたメール配信の事例として、TSIホールディングス様をご紹介しました。同社は、「ナノユニバース」「マーガレットハウエル」「ヒューマンウーマン」など60以上のブランドを持つアパレル企業です。SENSY社のパーソナライズ人工知能「SENSY Marketing Brain」というシステムとWEBCASを連携させ、WEBCASの「トランザクションデータ差し込みメール配信機能」というお客様ごとにレコメンド情報を差し込めるブロック機能を活用して、SENSY側のデータを差し込んだメールを配信しています。内容は「商品をレコメンドするメール」と「ショップスタッフのコーディネートをレコメンドするメール」の2種類で、この施策を実施したことで、1通当たりの売上額が最大31%アップし、店舗への送客にも効果があったとのことです。

視聴者の方から寄せられたご質問・WOWWORLD中村からの回答

Q:メールの開封率はどのように対策すると上がりますか?
A:まずはリストの精査をすることです。そのうえで各種施策、例えばタイトルに数字を入れることや限定感を出すこと、宛先の氏名を差し込むこと、曜日や時間を注意して送ることなど、実施するとよいでしょう。

セッション3:顧客と企業の共創を生み出す、パーパスを中心としたサイトリニューアルの勧め

株式会社コネクティ 代表取締役社長の服部より、最近注目を集めているパーパス発信型のサイトリニューアルの事例を紹介するとともに「パーパスという軸で顧客とどのような価値創造を共創していくべきか?」「プロジェクトはどのように進めて行けばよいか?」といった具体的な進め方と、企業のサイトブランディング・リニューアルをトータルで支援するコネクティのサービスについてご紹介しました。

株式会社コネクティ 代表取締役社長 服部 恭之

株式会社コネクティ 代表取締役社長 服部 恭之

1.パーパスが注目されている理由とは

昨今のサイトリニューアルでは、見栄えを良くするだけではなく、もっと手前のブランディングや企業のあり方をワークセッションしながらコミュニケーション戦略を作り上げていくことが多くなっています。その中で、大きなテーマになっているのが「パーパス」です。企業・サービスとしての社会的存在意義のことを指すパーパスを軸にコミュニケーション戦略を変えていく流れが大きなトレンドとなっています。

グローバル企業の事例をみてみると、Appleでは、「人類を前進させようという志にこたえるツールを創造し続けることで、世界へ貢献すること」。Googleでは、「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです」といったパーパスが挙げられます。 コネクティでは「良質なデジタルで、社会を豊かに前進させる」というパーパスを打ち出しています。

コネクティのパーパス

コネクティのパーパス

2.モノの価値より企業のあり方が重要視されるパーパスドリブン・コミュニケーション戦略のつくり方

次に、パーパスを規定すると、どのようにコミュニケーション戦略が変わっていくのかを説明しました。
一般的なコミュニケーションでは、企業はコミュニケーション施策を実施することでお客様に関心を持っていただき、お客様はモノの価値や価格で購入に至ります。一方で、パーパスドリブン・コミュニケーションの場合は、企業は自社の存在意義やサービスを提供した想いとメッセージを発信し、お客様は、その企業の想いに共感して企業やサービスに好意を抱きます。モノの価値や価格ではなく、そのサービスを使うことが自分らしいか、生き方として正しいかどうかが選択の軸になっています。

コネクティが手がけるサイトリニューアルでは、コミュニケーション戦略設計においてパーパスを一緒に考えるフェーズを設けています。また、パーパスを作ったあとに具体的なアクションを継続的に発信して伝わっているかどうかを判断し、改善や追加施策を行っていく必要があります。コネクティでは、PDCAサイクルをサポートするサービスとして、具体的なアクションをPRしていくためのCMSサービスを提供してきました。それに加え、今年の10月にクラウドCDP(※2)サービス「Connecty CDP(コネクティ シーディーピー) 」をリリースし、より包括的なコミュニケーション戦略を支援できる体制となりました。

※2)CDPとはCustomer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム)の略で、顧客属性やWebサイトでの行動履歴、ECサイトでの購買履歴、オフラインでのPOSデータ、スマートフォンの位置情報などのデータを統合し、管理、分析するシステムです。

■新リリース「Connecty CDP」とは
「Connecty CDP」には以下3つの特徴があります。

1.データの集約(コンテンツ管理・配信)
・トラッキングサービス
企業独自のCookie(1st Party Cookie)を発行し、様々なデジタル上の顧客データの一元化を実現します。

・データ集約機能
Webサイト上のデータに加え、ECサイト、アプリなどで取得する顧客データのほか、営業管理システム上のデータ、POSレジデータなどの企業内の様々なデータを集約します。

2.顧客の見える化(Connecty CDPによるデータマネジメント)
・データ分析機能
統合したデータを見える化するためのレポーティング機能と、SQLの各種記述による顧客セグメントの設定と抽出など、データ分析に役立てることができます。

3.データの送付(配信)
・セグメンテーション機能
統合したデータを顧客属性ごとに分類して、メッセージ配信システムやマーケティングオートメーションといったシステムにデータを引き渡し、特定のセグメントに対してメールなどのメッセージ配信をすることで、属性に添ったコミュニケーションを実現します。

Connecty CDP

Connecty CDP

本セッションでは、企業のあり方(社会的意義)をきちんと定義したコミュニケーション戦略が重要視されるようになったことから、パーパスについてご紹介しました。服部は、「パーパスの定義付けからコンサルティングを行い、継続的なコミュニケーション戦略をサポートするためのCMS・CDPサービスを提供して、PDCAサイクルを一緒に伴走していけたらと思います」と語りました。

視聴者の方から寄せられたご質問・コネクティ服部からの回答

Q:CMSの導入を検討しており、社内ではWordPressにしておけば間違いないのでは?という声が上がっています。コネクティのCMSサービスと他社とのちがいは何でしょうか?
A: WordPressは無償のCMSであり、使いやすさでは優れたサービスです。一方で、ソースコードが世の中に出てしまっているため毎日のように脆弱性が増え続けており、企業が使う際は、機密な情報をハッキングされる危険があります。コネクティのCMSサービス 「Connecty CMS on Demand」は、国産製品であり、セキュリティやWebガバナンスなど日本企業独自の要望を機能に反映しています。

Q:来年リリース予定のサイトリニューアルのプロジェクトをしています。やはりCDPは取り入れるべきですか?
A:ここ数年でCDPサービスの導入を検討される企業様が急激に増えています。Webサイトのリニューアルでは、サイトに訪問していただいたお客様にとって有益な情報とはなにかを考え、わかりやすく掲載することが一つ目のゴールだと思っています。そのためには、目的や課題に解決する土台を固め、次にどのように流入施策を考え、セグメント化した情報発信をしていくという順番が大切です。サイトリニューアルは継続的な運用が大切ですので、長期的な運用という観点で、CDPを活用し、より情報を精査していくことをおすすめします。

セッション4:共感を生むWebサイト構築とCMSを活用したコミュニケーション深化

セッション4では、セゾン投信株式会社 代表取締役社長COOの園部氏より、リブランディングを伴ったWebサイト構築やCMSを活用したコミュニケーションへの取り組み、その他デジタルツールも含めた活用事例をご紹介いただきました。 P&G、さわかみ投信、ドイチェ・アセット・マネジメントなどを経てセゾン投信株式会社に入社した園部氏は、2020年6月同社代表取締役社長COOに就任されました。一貫して個人向け商材の営業支援に従事し、現在は長期投資を根付かせるための事業戦略策定とともに、必要に応じた情報、利便性の提供を追求されています。

セゾン投信株式会社 代表取締役社長COO 園部 鷹博氏

セゾン投信株式会社 代表取締役社長COO 園部 鷹博氏

1.自社を取り巻く外部環境の大きな変化からリブランディングを検討

同社では、創業から15年が経過した今年、Webサイトのリニューアルを含めたブランディングの再構築を行いました。背景としては、自社を取り巻く外部環境が大きく変わったことがあります。2016年に金融庁を主体に顧客本位の業務運用が強く求められたことや、SNSの普及で消費者がより企業やサービスを吟味して選ぶ時代になったことで、従来の営業姿勢では通用しない状況が生まれました。2019年には「年金2000万円問題」が出てきたことによって、資産運用に興味を持つユーザーが増え、需要の高まりから新しい競合の存在も目立ちました。同社では長年に渡り、対面セミナーを軸にアナログでのコミュニケーションを大切にしていきましたが、アナログ中心のコミュニケーション設計のみでは、デジタル世代へリーチできないという懸念からリブランディング・プロジェクトを検討されたそうです。

また、同社のこれまでのブランディングは、創業者がメディアで頻繁に取り上げられていたことから、組織そのものより、人のキャラクター要素が強い属人的なブランディングになっており、旧サイトでは情報量が多いことからなにを伝えたいのかがわからず、お客様の共感を促すコンテンツがないという課題を抱えていました。そのことから、 Webサイトのリニューアルにあたっては、個人ではなく組織としてお客様とコミュニケーションを取ること、なるべく情報を絞り込んで、私たちが今お客様に伝えたいことは何なのかを明確することに重点をおきました。

旧サイトのファーストビュー

旧サイトのファーストビュー

旧サイトのファーストビュー

2.お客様に共感を得られるWebサイトへリニューアル

園部氏は、リブランディングにおいてもっとも大切にしたのは「お客様に共感していただく」ことだと語りました。サービス紹介中心のWebサイトからお客様の共感を得られるようなWebサイトを目指し、ブランドアイデンティティの発掘や、ブランドメッセージ、ペルソナを考案されました。

■ブランドメッセージは、「普通が続く。それが、豊かさ」。
リブランディングの方向性のご説明をいただいた後に具体的な新サイトのコンセプトをご紹介いただきました。
園部氏は、ブランドメッセージの中の“普通”というワードについて「普通は人それぞれ定義がちがいますが、この1年間、普通の生活を送れることがなによりの豊かさだということを多くの人が感じたと思います」と語りました。改めて、普通の暮らしが続くことこそが豊かさであることの重要性を訴えかけるブランドメッセージを打ち出しました。

新サイトのトップは運用会社としては珍しく商品紹介がなく、金融機関の重厚で堅実なイメージを取り払い、フレンドリーさを全面に出しました。これは、ターゲットに直感的に理解できるようシンプルな構成を心がけたのはもちろん、同社が大切にしていることをお客様に伝えたい、資産運用を始めようか悩んでいるお客さまに最初の一歩を踏み出してほしい、そのような想いをWebサイトで表現しています。また、潜在層のユーザーに対して、身近に感じられるようなわかりやすいコンテンツを提供することによって投資信託を自分ごととしてもらい、より具体的なビジョンを形成した上で、同社とお客様が相互理解を育む構図を意識されたそうです。

新サイトのファーストビュー

新サイトのファーストビュー

新サイトのファーストビュー

リブランディング・プロジェクトの協力会社の選定にあたっては、数ある制作会社や広告代理店の中から、サイトリニューアル、CMSの提供、マーケティングまで一気通貫で支援可能なコネクティを採用し、Webサイトのリニューアルを実施しました。コネクティのクラウドCMS「Connecty CMS on Demand」 の活用によって、社内にWebデザイナーが不在の中でもサイト基盤のスムーズな入れ替えや、ニュースやFAQといった更新を手軽にできるようになり業務効率が飛躍的に向上しているそうです。

3.オムニチャネルの活用でさらなるコミュニケーションの活性化目指す

今後の戦略では、新しくリリースしたWebサイトを核に、YouTube、チャット、SNSといったデジタルを活用しつつ、共感型オフラインイベントやファンミーティングといったリアルも大切にしていく方針をご紹介いただきました。これは、Webサイトを中心に、デジタルとオフラインを融合することでコミュニケーションの活性化を図り、さらに共感を広げることを目的としています。また、お客様の取引データやWeb上での行動を紐付け、それぞれの顧客にあったパーソナライズ型のコンテンツを展開し、長期投資の継続を促す取り組みを行っていく予定だと述べられました。

視聴者の方から寄せられたご質問・園部氏からの回答

Q:リブランディング後、お客様の反応はありましたか?
A:思った以上にお客様の反応がありました。メッセージが明確になり、サイトが見やすくなったというお声や、お客様を中心としたサイト設計に好反応をいただきました。一方で、商品の値動きがファーストビューで見えなくなってしまったことに対して、ご不満のお声をいただきましたが、これは目先の数値にとらわれず、長期的な目線で資産運用を考えてほしいという想いから、そのような設計にしています。

Q:サイトリニューアルによって良い変化はありましたか?
A:一番はお客様が必要な情報にシンプルな導線でたどり着けるようになったことです。連動してLINEの友だち数が増えたことも良い変化だと思います。

パネルディスカッション:これから世の中に求められる企業と顧客の関係づくり

パネルディスカッションでは、「これからの世の中に求められる企業と顧客の関係づくり」をテーマに企業としてどのような姿勢を示すべきか、経営方針を交えて共有していただきました。

パネルディスカッション

パネルディスカッション

■これからの時代、企業と顧客の関係づくりになにが求められるでしょうか?

清水氏:お客様が何を求めているのかを常に考えたうえで施策を行い、施策の結果を見える化してPDCAをはやく回し改善を重ねることが大切だと思います。また、アナログの時代は、売り手と買い手の情報の格差があったと思います。商品の中身や金融の知識を持つ売り手のほうが有利な状況でした。しかしながら、デジタルの進展によって買い手側は多様な情報収集ができるようになり、比較検討がしやすい時代になりました。その観点から、これまでの商売の仕方や接し方ではお客様に満足いただくことは難しいので、デジタルやリアルを活用してお客様が求めているものを理解し、満たせるコミュニケーションを行っていくことが重要だと感じています。

園部氏:真の意味で「企業=パートナー 」でいることだと思います。そのためには、企業が事業を通じてどのような社会を実現していきたいのかという点を強く発信し、お客様に共感いただき一緒に創り上げていくべきだと考えます。また、良いモノを安く提供すればお客様が満足するという考えは今日限りで捨てるべきです。経済を担う企業としてリーダーシップをとり半歩先をお客様に示すことが大切だと思います。

服部:先ほど清水様がおっしゃったように、PDCAを高速で回して改善結果を出していくことが非常に重要になっています。その手前のプランニングでも100点まで練り上げてリリースするのでは遅いので、80点位の段階でリリースして改善しながらアップデートしていくことが主流になっていると感じています。
また、誠実に情報開示をすることが大事だと考えます。たとえば、同じモノを売っていたとしても、公式サイトにいけば商品の詳細がわかる企業と、来店してからではないと商品の詳細がわからない企業では、姿勢そのものがお客様に選ばれる条件になっていると思います。Webサイトの構築を支援させていただく際は、誠実なお付き合いをしていきたいというメッセージにもなるので、情報はなるべく多く発信していきましょうとお伝えしています。本日のゲストである2社は、まさにそのことを実践されている企業ですので、お話いただいた中にヒントが詰まっていたと思います。

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

■情報が氾らんしている時代において適切な情報を伝えるためには、どのような点に注意すればよいでしょうか?

園部氏:弊社のようなサービスの場合、例えば20代、30代の方が長期的な資産運用を検討する際に、そのような方々にとってなにが最善なのかを考え絞り込んであげることが大切だと考えています。豊富な情報からお客様自身で調べてわかることには注力せず、私たちの組織の存在意義や、こうありたいという哲学をもとに、私たちの考えるお客様への正解を絞り込んで出せばよいと思います。正解を絞り込むことはお客様が判断しやすさにもつながります。

清水氏:SOMPO Parkを活性化し、個々のユーザーの方がどのような生活環境なのか深く理解したうえで最適な情報を発信し続けていけば、興味のないものを押しつけられるような嫌な体験を減らしていけると思います。

服部:情報が氾らんしてしまった背景には、企業が情報開示を拒んだことがあると思います。仕方なく口コミやSNSなど見に行くしかなくなってしまったため、情報が分散化してしまったのではないかと。このような状況になっているのを世の中やお客様のせいにせず、企業の努力で解決するべきだと考えます。企業はオフィシャルな場所で欲しい情報を提供する姿勢を示すべきです。お客様側は、無作為に届く情報にアレルギーが出ているので、One to Oneの情報を届けていることをわかってもらえるように情報の出し方を整理する必要があります。その点はCDPサービスを活用してセグメントした情報を発信することで、適切な情報を届けてくれていると感じられる文化が醸成されていくと思います。

■ネガティブな意見に対して企業はどのように対処していくべきでしょうか?

園部氏:時には割りきりも必要だと思います。投資信託はお客様と一緒に作っていくものなので、共感いただけるお客様とともに歩んでいくことが大切だと考えています。

清水氏:お客様から受けたネガティブな意見に対しては、前向きになるべくはやく対応するべきだと思います。一方で、すべてのお申し出を受けつけてしまうと、サイトやサービスが使いづらいことになりかねません。どこまでお客様のご意見をサイトやサービスに反映をしていくかはバランスをとることが大切です。

服部:すべてのご意見に応えていくのは難しいと思います。そのため、優位順位をつけながら改善していくことが重要です。最近、情報を出す部門(営業)と情報を受けとる部門(カスタマーサポート)の連携を強化している企業が増えており、早急に改善していこうという姿勢が見受けられます。

●損害保険ジャパン様のWEBCAS導入事例インタビューは、以下よりご覧いただけます

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