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CDPのことがわかる!導入する目的やメリット、選定のポイントを解説

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CDPのことがわかる!導入する目的やメリット、選定のポイントを解説

CDPのことがわかる!導入する目的やメリット、選定のポイントを解説

こんにちは。エンゲージメントソリューション「WOW engage」のマーケティングチームです。
今回のテーマは「CDPについて」です。

昨今よく耳にするCDP。顧客データを統合して活用するためのものというおおまかなイメージはつくものの、実際にどのようなものなのか説明するのは難しい、という方も多いかもしれません。本記事では、CDPについての基本的な知識と、導入する際のメリットや選び方のポイントについて解説します。CDP導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

CDPとは何か

まず、CDPとはどのようなものか、概要を説明します。

CDPの意味

CDPとは「カスタマー・データ・プラットフォーム(Customer Data Platform)」の略です。企業内で保有している顧客情報を統合して、分析することを目的としたプラットフォームです。近年、データドリブンなマーケティング手法が注目されるようになり、データの活用は多くの組織において重要度を増しています。そのため、CDPを導入、活用する企業は増加しています。

CDPの特徴

CDPの役割は、企業内で別々に管理されている顧客データをマーケティングデータに結び付けることです。CDPで収集し紐づけることのできる顧客データとは、まず1st Party(ファーストパーティー)データと呼ばれるデータがあります。1st Partyデータとは、企業と顧客が直接かかわることで得られるデータのことで、住所、氏名、電話番号等の個人情報をはじめ、過去の購買等を含む接触履歴や自社のWebサイト上でのアクセス情報などの行動データや詳細な属性などのデータが含まれます。社内で蓄積されるこれらのデータは、部門や組織ごとに別のシステムやデータベースで管理されていることも多く、その場合データ同士の連携がされずにため込まれ、適切な情報共有ができない状態になります。
CDPはこれらのデータをすべて結び付けて分析・活用しやすくし、企業のマーケティングに利用することを可能にします。

さらにCDPは3rd Party(サードパーティー)データと呼ばれる第三者が提供するデータ(国が公表しているオープンデータ、リサーチ会社を通して得たデータ など)も、取り込み連携することができます。3rd Partyデータは個人を特定しない匿名性の高いデータですが、これらと先述した自社保有の顧客情報を組み合わせて分析ができるのも特徴です。

CDPの利用目的とは

次に、企業がCDPを利用する目的について、代表的な3つを紹介します。

1.顧客データの収集

CDPを導入する第一の目的は、顧客データのスムーズな収集です。日々のマーケティング活動において、一人ひとりの顧客をより深く知ることはとても大切です。そのためには、顧客の属性や趣味嗜好のほか、「いつ」「どこで」「何をした」という行動データの収集が必要です。これら一つひとつのデータは、POSやECサイトなど、企業の保有する各媒体から収集できますが、それらをCDP内で個人情報と結び付けることで、CDPを中心とした顧客データの収集網を張り巡らすことができます。

2.顧客データの統合・管理

第二の目的は、多くの企業が直面している「データのサイロ化」という課題を解決するためです。「データのサイロ化」とは、社内で部署ごとに異なるシステムを導入していたり、データの管理方法が異なっていたりして社内の顧客データが分断されてしまい、ビジネス成長のための重要な顧客データ等が連携されていない状態のことを指します。
この「データのサイロ化」状態に対して、CDPを利用すると、各データを紐づけて一つにまとめることができます。顧客一人ひとりに対しIDを発行し、そのIDに対して関連する属性データを紐づければ、バラバラだった情報を一人分の属性データとして扱うことができます。さらに倉庫にある商品の在庫データや過去の営業管理データなどもまとめることで、多角的に顧客心理をつかむためのデータとして活用することができるようになります。

3.顧客データの活用

そしてCDPの最大の利用目的は、収集・統合した顧客データからニーズを的確に把握してマーケティングに効果的に活用することです。具体的には、顧客にとって適切な施策が何かを分析・判断し、顧客一人ひとりにカスタマイズしたメッセージ配信やレコメンドをおこないます。このような施策を実行することで、顧客のエンゲージメントを向上させ、マーケティング効果の最大化が期待できます。このマーケティング施策で得たデータもCDPによって追加されていくため、使えば使うほどより精度の高いマーケティングが可能になるでしょう。

CDPが必要とされる理由とは

企業から顧客への情報発信はさまざまな手段でおこなわれており、顧客側は多数の企業からメッセージを日々受け取っています。このような時代において、企業から顧客に向けたコミュニケーション施策をおこなう際には、「自分宛てのメッセージだ」と感じてもらうことが大切です。なぜなら、日々届く大量のメッセージのなかで、自分に関係のなさそうなメッセージは、読んでもらえないどころか開封すらしてもらえない可能性があるためです。

顧客の手元には日々さまざまな情報やメッセージがあふれている

顧客の手元には日々さまざまな情報やメッセージがあふれている

顧客の手元には日々さまざまな情報やメッセージがあふれている。

自分宛てだと認識してもらうためには、よりパーソナライズされた内容でのコミュニケーションが必要になります。このパーソナライズは、単純な「年齢」「性別」といった一面的な情報のみを使った施策ではなく、「どこのお店によく行くか」「どのような商品を買ったか」「ECと実店舗のどちらを使っているか」など、各顧客の過去の履歴を含めたより細かく個人に則したものである必要があります。

先述の通りCDPは企業内でサイロ化された顧客データと行動データ、商品データ等のあらゆるデータを統合し分析することができるため、例えば顧客の属性と直近までの活動履歴から、行動パターンや趣味嗜好、現在の興味関心を予測し、どのような時間帯にどのような商品やサービスのメッセージを送ればよいかといった、より各個人に則したパーソナライズが可能となります。
さらに、より長い期間にわたるコミュニケーション施策をおこなうこともできるようになります。例えば、複数のデータの紐づけから、就職、結婚、出産、転職といったライフイベントを把握し、さらにそのときどきの購入商品から趣味の傾向を分析します。このような分析をもとに、今後の顧客の新たなライフイベントを予測し、顧客との中長期的なストーリーを立てた最適なコミュニケーション施策を推進できるようになります。

CDPと勘違いしやすい用語とは

CDPは似た用語がいくつかあります。間違えられやすいものを3つ紹介します。

1.パブリックDMP

パブリックDMPはCookieなどを通して収集される3rd Partyデータを統合し、管理や分析をおこなうプラットフォームです。パブリックという名前のとおり一般向けに公開されているデータのため、収集されるデータに個人を特定するような内容は含まれません。性別や居住地域など、基礎的なデータを活用するインターネット広告配信などに使われることが多いです。

2.プライベートDMP

プライベートDMPも、パブリックDMPと同じく顧客データを管理・分析するプラットフォームですが、個人を識別できる情報を含んでいる点で異なります。プライベートDMPは1st Partyデータを統合して管理することが可能なため、CDPと同義で扱われることも多いです。個人を特定できるため、パーソナライズした施策の運用などに活用されるケースが多いです。

3.CRM

CRMとはCustomer Relationship Management(カスタマーリレーションマネジメント)の略で、企業と顧客の関係性を管理する手法やツールを指します。既存顧客のデータを収集し、そのデータをもとにアプローチをしていくことが主な目的です。例えば、自社のECサイトを利用しているユーザーの生年月日等の基本情報やECサイト上での行動履歴、ポイントの残高などを一箇所に統合して管理し、そのデータをもとに顧客をセグメント分けしておすすめ商品のメルマガを配信することができます。CDPと混同されやすいですが、大きな違いとしては、多数のツールやシステム、外部データと連携することを想定されていないことが多い点です。またCRMでは基本的に見込み顧客(リード)のデータを管理せず、あくまで既存顧客のデータを扱うことを前提として運用されているものが多い点も特徴です。すでに繋がりのある顧客に対して最適なサービスを展開し、優良顧客化を目指す場合などに適していると言えます。

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CDPが持つ機能とは

CDPには大きく分けて4つの機能があります。それぞれ解説します。

1.データの収集

CDPは外部のシステムやツール、データと連携することを前提としたシステムです。Webサイトの閲覧データやECサイトでの購買データ、位置情報データ、顧客アンケートの回答データ、カスタマーサポートへの問合せデータ、営業部門が保持している顧客とのやりとりの履歴など、それぞれ別々のシステム・ツールやデータベースで管理されている情報を、APIやファイル連携形式でCDPに集約させます。また顧客情報や顧客の行動データ以外にも、商品マスタや在庫データなども同様に統合することが可能です。実店舗で蓄積されるオフラインデータをアップロードして利用できる場合もあり、OMOの推進にも役立ちます。

※Online Merges with Offline(オンライン マージズ ウィズ オフライン)の略。オンライン情報とオフライン情報を統合させ、シームレスな顧客体験を実現すること。店舗でアパレル商品を試着し、スマートフォン決済で購入する等。

2.データの統合

さまざまなツールやシステムからデータを集約すると、データ内に重複や表記ゆれ、欠損などが生じることがあります。CDPでは、これらを統合・整形し顧客IDで紐づけて一元化することができます。一元化された顧客データは、「顧客カルテ」として一人ひとり別々に閲覧できることが多いです。CDP内に取り込むデータや顧客カルテに出力するデータを管理画面上で任意選択できるものもあります。

3.データの分析

CDPには集めて統合したデータを分析できる機能もあります。例えば、顧客の過去の購買履歴や、どのような手段で購入したのかといった購買に関する情報のほか、顧客自身の所在地や年齢・性別等の属性を集計し分析することができます。また、任意の条件を組み合わせて顧客リストを生成するセグメント機能が備わっている場合もあります。データを分析し、マーケティング活動や営業活動に役立てることができます。

4.施策のための外部サービスとの連携

CDPには収集したデータを統合・分析した後に、その結果を出力して施策に活用するために外部サービスと連携する機能もあります。よくある例としては、MA(マーケティングオートメーション)やメール配信システムとの連携です。これらのシステムとの連携により、顧客一人ひとりに適切なメッセージ配信をおこなうことができます。顧客ごとにカスタマイズしたマーケティング施策を実施でき、CXの向上を図ることができます。

CDPのメリットとは

CDPを利用することでさまざまなメリットが得られます。今回は代表的な3つをご紹介します。

1.データの一元管理が可能

先述のとおり、CDPではさまざまなツールやシステムにある顧客データを一箇所にまとめることができます。一度設定してしまえば、別々に管理されている顧客情報が自動的に収集されるようになります。複数のデータを手動で統合して管理するのに比べ、圧倒的に作業負担が減ります。CDPを活用したデータ統合により、多角的な観点からの顧客データの確認ができるようになり、精度の高い顧客のセグメント分けが可能になります。さらに、データを個人単位のレベルで確認することもできます。居住地や年齢などの基礎的な個人情報とWebサイト上の行動履歴、購入履歴、店舗等のオフラインでの購入履歴などのデータを統合して個人プロファイルとして確認することができます。

2.分析データの確認が一箇所で済む

CDPでデータを一元管理することで、分析データの確認も一箇所で済むようになります。社内でさまざまなクラウドサービスを導入しているとログイン情報の管理が煩雑になりがちですが、CDPがあればそれらの課題も解消され、効率的に分析をおこなうことができます。また、データを直接管理する部署以外の方でもリアルタイムかつ正確な分析情報を把握できるのもメリットです。

3.顧客の深い分析が可能

データや履歴を確認できるだけではなく、それらをもとにより深い分析をすることもできます。例えば、「直近で購入する可能性が高い顧客は誰か」「最もLTVの高い顧客は誰か、そしてその共通点は何なのか」「どのような顧客がサービスを解約しやすいか」などのような顧客インサイト(顧客自身も自覚していない潜在的なニーズ)を捉えるのに役立ちます。

より深い分析が可能

より深い分析が可能

CDPを選ぶポイントとは

CDPは現在複数のサービスが存在するため、自社に合ったものを選ぶことが大切です。選ぶ際のポイントを3つご紹介します。

1.安全なセキュリティ

顧客のさまざまなデータを扱うため、セキュリティは重要です。サービス自体にどのようなセキュリティ対策がされているのかはもちろん、提供会社自体のセキュリティ体制についても確認しておくとよいでしょう。

2.ツールとの連携可否

各種マーケティングツールとの連携可否についても確認が必要です。特に自社で既に利用しているツールやシステムがある場合、それらと連携できるかどうかも確認しておきましょう。場合によっては開発が必要になることもあるため、導入スケジュールには余裕を持っておくことをおすすめします。

3.サポート体制

運用をサポートしてくれる体制があるかどうかも確認しておきたいポイントです。導入時はもちろん、運用していくにあたってサポートが必要になるシーンは多く発生します。その際、すぐに連絡がとれたり、分かりやすい回答が得られたりするとスムーズに運用できます。チャットやメール、電話など複数の手段で問い合わせが可能なものを選ぶと良いでしょう。また、海外製のCDPを利用する場合には、問い合わせ窓口の有無や問い合わせ方法についてあらかじめ確認しておくことをおすすめします。問い合わせ対応の方法が限られていたり、日本語のヘルプページが十分ではなかったりする場合があるためです。

CDP導入時は、メール配信システム等の導入が必須

CDPはデータのとりまとめや分析に役立ちますが、メール配信機能などの顧客に情報を届けるための機能は含まれていません。そのため、メール配信システム等と連携して活用する必要があります。例えば、当社のメール配信システムWEBCAS e-mailは、CDPと連携し、きめ細かいOne to Oneメールを配信することができます。データを一元管理し深い分析ができるCDPの特徴と、「メッセージを届ける」機能を持つ専用のシステムが掛け合わさることで、顧客ごとに最適化されたコミュニケーション施策をおこなうことができます。

>>メール配信システムWEBCAS e-mailと連携するCDPのご紹介

CDPソリューション「WOW engage」

当社が提供するCDPソリューション「WOW engage」は、CDPの基本機能であるデータ統合から分析、メッセージ配信までをワンストップで実現するエンゲージメントソリューションです。企業様ごとに最適な形でのソリューションをご提供します。

WOW engage

WOW engage

メッセージ配信には、20年以上の販売実績と9,000社以上の企業への導入実績を持つWEBCASシリーズが対応しており、メールやSMS、LINEなどさまざまな施策を実施することができます。データ分析については、ベストセラー「統計学が最強の学問である」の著者で元東京大学助教・西内 啓氏の知見が活かされており、統計的因果推論等の手法が取り入れられています。そのため得られた分析結果をもとに、顧客にとって最適な情報を、最適なタイミングで、最適な手段を選んで配信できることが特徴です。またサポート面では、初期設計から実際の導入、そして導入後の運用までコミュニケーションのスペシャリストによるコンサルティングを受けることができます。

WOW engageのイメージ

WOW engageのイメージ

まとめ

以上、CDPについての基本的な知識と、導入する際のメリットや選び方のポイントについて解説しました。さまざまな企業が顧客とのコミュニケーション施策をおこなうようになった今こそ、やみくもにメッセージを送るのではなく、お客様ごとに最適な内容やタイミングでのコミュニケーションを図っていくことがポイントとなります。データを一元管理して分析することのできるCDPを活用すれば、そのようなコミュニケーション施策をスムーズに実現することができます。少しでもご興味がおありでしたら、是非一度当社にご相談ください。

CDPソリューション「WOW engage」の詳細については下記ボタンよりお問い合わせいただけます
「ちょっと気になる」や「やりたいことが固まっていないけど…」も大歓迎です!

0120-965-082受付時間 10:00~18:00(土日祝除く)

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コラム執筆:株式会社WOW WORLD 小林 春菜

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