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アンケート
こんにちは。アンケート・フォーム作成システム「WEBCAS formulator」のマーケティングチームです。
今回のテーマは「アンケートで必要な有効回答数について」です。
アンケートにおける有効回答数とは、調査後に回収できた回答のうち不適正と判断される無効な回答を除いた、有効な回答の合計数です。アンケート調査で統計的に十分なデータを得るには、適切な回答を多く集めなければなりません。
この記事では、アンケート調査において、具体的にどの程度のサンプルサイズが必要かを解説します。有効な回答を得るためのポイントも記載しているため、ぜひ参考にしてください。
アンケート調査を実施する場合、特に重視すべきなのが有効回答率です。ここでは、有効回答率が重要な理由について解説します。
アンケート調査の有効回答とは、アンケートに対する回答のうち、誤りや欠落がない回答のことです。アンケート調査を行う場合、基本的には回答数が多いほどさまざまな意見が集まります。しかし、有効回答数は、全体の回答数以上に重要です。
単に回答数が多いだけでは、適切な調査結果を得られるとは限りません。一方、回収した回答のうち有効な回答が多く、有効回答率(回収率)が高い状態であれば、より正確な調査結果となります。
サンプル数とは「群の数」であり、母集団から何回サンプリング(標本抽出)したかを表す指標です。また、サンプルサイズとは、1回のアンケート回答者の抽出で、どの程度の回答数を得られたかを表す指標です。一般的には「n」と表します。
たとえば、東京・神奈川・千葉・埼玉のいずれかに住む高校生100人を対象に調査した場合、サンプル数は4、サンプルサイズは100となります。
アンケートの回答率とは、アンケートの対象である全体の人数に対し、有効な回答を返した人数の割合です。
計算式で表すと、「(回収した有効回答数÷配布したアンケート数)×100」となります。
たとえば、1万件のアンケートを配布して3,000人から有効回答を得られた場合、有効回答率は「(3,000通÷1万通)×100=30%」です。
有効回答率が高いほど、アンケートの結果であるデータの信頼性が高くなります。
適切なサンプルサイズを正確に求めるには、緻密な計算が必要です。計算が複雑で手間がかかりすぎると感じる場合は、推奨されているサンプルサイズを目安にしても構いません。サンプルサイズの目安は、一般的に400といわれています。この理由は後述します。
サンプルサイズを予想される回答率で割ると、アンケートの配布数を計算できます。たとえば、サンプルサイズを目安の400とし、回答率が40%の場合、アンケートの配布数は1,000です。
アンケートで必要なサンプルサイズを計算する際には、調査結果の精度を左右する2つの重要な要素、「標本誤差」と「信頼度」を考慮する必要があります。
標本誤差とは、サンプル調査によって得られた結果が、母集団全体の真の値とどの程度異なるかを示す指標です。サンプル調査では、母集団全体から一部のサンプルを抽出して調査を行うため、必ず誤差が発生します。標本誤差が大きいほど、調査結果が母集団全体の真の値から大きくずれる可能性があります。
信頼度とは、同じアンケート調査を何度も実施した場合、何回かに1回は同じような結果が得られる確率のことです。
一般的には、95%以上の信頼度が求められます。つまり、信頼度が95%であれば、同じアンケート調査を100回行った場合、95回はほぼ同じような結果が得られることを意味します。
適切なサンプルサイズの決め方としては、一般的に標本誤差が5%程度に抑えられているか、そして信頼度が95%程度になっているかがひとつの目安になります。
以下は、信頼度95%の標本誤差早見表です。
表の確認方法としては、まず表側の該当する回答比率(黄色の部分)を確認し、次に表の中の標本誤差(白い部分)で該当の値を確認します、最後に表頭(グレーの部分)を見ると該当の回収サンプル数(サンプルサイズ)が記載されていますので必要数が分かります。
以下が、それぞれの場合の必要な回収サンプル数となります。
アンケートの有効回答率を高めるには、どうすればよいのでしょうか。いくつかのポイントがあるため、以下で詳しく解説します。
アンケートに回答してもらうには、回答者の負担をなるべく減らす必要があります。簡易的なアンケートにするためには設問数を最小限に抑えることがポイントです。具体的には、5~10問程度が理想です。ただし、アンケートの目的によっては設問が少なすぎると必要なデータが取得できない場合もあるため、状況に応じて設問数を検討しましょう。
また、記述式や自由回答ではなく、選択式のアンケートにしたほうが回答者の負担が小さくなります。
回答者が日頃からよく使う媒体やデバイスで回答できるようにすると、アンケートの回答率を高めやすくなります。たとえば、スマートフォンからでも気軽に回答できるオンラインアンケートを採用するのがおすすめです。また、インターネットリサーチサービスを使うなら、ターゲットとなる回答者の属性が集まる媒体やプラットフォームを選択しましょう。
回答者の属性によって、回答しやすいタイミングや時間帯は異なります。そのため、どのタイミングや時間帯なら回答しやすいかをリサーチしたうえでアンケートを実施しましょう。イベントやセミナーの直後などにアンケートの回答時間を設けると、回答率が高まります。
たとえば、デジタルギフトなどのインセンティブ(報酬)を用意すると、回答者の回答に対するモチベーションを高められます。また、ファンやコアな顧客層に対してアンケートを行う場合、回答が公式サイトや会報などに掲載する旨を伝えると回答率を高められる可能性があります。
アンケートについてネガティブなイメージをもつ回答者もいるため、不安の解消に努めましょう。具体的には、アンケートの目的や実施する企業などを明確に伝える必要があります。個人情報の取り扱いについても明記することが大切です。さらに、回答時間の目安も記載すると、回答者が安心して回答を始められます。
アンケート調査で有効回答を得るためには、気をつけたいこともあります。ここでは、具体的な注意点について解説します。
アンケートの回収率が悪い場合、結果に偏りが生じる恐れがあります。特定の意見が多く実際の状況と異なると、アンケートの結果そのものの信頼性も低くなります。信頼できるアンケートの結果を得るには、一定以上の回収率を担保する必要があります。
回収率が悪ければ信頼性が低くなりやすいものの、回収率が高いからといって、必ずアンケートの信頼性が高くなるわけではありません。回収率が高いということは有効回答の割合が高い状況を示していますが、信頼性の高さとは、前述のとおり「同じアンケートを何度実施してもほぼ同様の結果を得られること」です。
回収率の高さと信頼性の高さは必ずしも一致しないため、注意が必要です。
アンケート調査でより多くの有効回答を得るには、アンケート作成ツールを活用するのがおすすめです。特に、どのデバイスでも回答しやすいデザインのフォームを作成できる機能や、不要な質問を表示させない設問分岐機能があるツールを採用すると効果的です。
また、アンケートの作成だけでなく集計や分析を自動で行える機能が備わっていると、より効率的に運用することが可能です。
当社のアンケート・フォーム作成システム「WEBCAS formulator」は、誰でも簡単に、思い通りのWebアンケートが作成できるシステムです。送信されたデータは安全なデータベースに蓄積し、リアルタイムに集計・分析が可能。大手企業や官公庁などに多数導入されています。さらに回答数無制限のため、有効回答を多く集めたい場合もコストを気にせず利用いただけます。Webアンケートの制作代行も行っているため、ぜひご活用ください。
また、自社だけでは必要なサンプルサイズが集まらないという場合はインターネットリサーチもおすすめです。当社グループでは大規模かつ高品質な消費者パネル(モニター)を保有しているため、ご興味があればぜひお気軽にご相談ください。
今回は、アンケート調査で重要な「有効回答数」に加え、必要なサンプルサイズや有効な回答を得るためのポイントをお伝えしました。皆さまの業務に少しでも役立てていただければ幸いです。
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